答弁本文情報
令和三年四月二十七日受領答弁第九八号
内閣衆質二〇四第九八号
令和三年四月二十七日
内閣総理大臣 菅 義偉
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員馬場伸幸君提出「強制連行」「強制労働」という表現に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員馬場伸幸君提出「強制連行」「強制労働」という表現に関する質問に対する答弁書
一について
御指摘のように朝鮮半島から内地に移入した人々の移入の経緯は様々であり、これらの人々について、「強制連行された」若しくは「強制的に連行された」又は「連行された」と一括りに表現することは、適切ではないと考えている。
また、旧国家総動員法(昭和十三年法律第五十五号)第四条の規定に基づく国民徴用令(昭和十四年勅令第四百五十一号)により徴用された朝鮮半島からの労働者の移入については、これらの法令により実施されたものであることが明確になるよう、「強制連行」又は「連行」ではなく「徴用」を用いることが適切であると考えている。
二について
強制労働ニ関スル条約(昭和七年条約第十号)第二条において、「強制労働」については、「本条約ニ於テ「強制労働」ト称スルハ或者ガ処罰ノ脅威ノ下ニ強要セラレ且右ノ者ガ自ラ任意ニ申出デタルニ非ザル一切ノ労務ヲ謂フ」と規定されており、また、「緊急ノ場合即チ戦争ノ場合・・・ニ於テ強要セラルル労務」を包含しないものとされていることから、いずれにせよ、御指摘のような「募集」、「官斡旋」及び「徴用」による労務については、いずれも同条約上の「強制労働」には該当しないものと考えており、これらを「強制労働」と表現することは、適切ではないと考えている。