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答弁本文情報

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令和三年四月三十日受領
答弁第一〇七号

  内閣衆質二〇四第一〇七号
  令和三年四月三十日
内閣総理大臣 菅 義偉

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員大西健介君提出中京圏の新たな高速道路料金に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員大西健介君提出中京圏の新たな高速道路料金に関する質問に対する答弁書


一について

 今般の中京圏の高速道路における料金体系の見直し(以下「今般の料金体系の見直し」という。)については、社会資本整備審議会道路分科会国土幹線道路部会中京圏小委員会(以下「中京圏小委員会」という。)の意見を踏まえ、御指摘の「中京圏の新たな高速道路料金に関する具体方針」において、名古屋高速道路及び名古屋第二環状自動車道に対距離制料金を導入し、また、東海環状自動車道内側における料金水準を、高速自動車国道の大都市近郊区間の水準並みの一キロメートル当たり二十九・五二円にそろえることとしたところである。
 その結果、例えば、東名高速道路や名神高速道路等の放射方向の高速道路のみを利用する経路に係る料金は値上がりとなる。一方、名古屋高速道路及び名古屋第二環状自動車道においては、対距離制料金の導入により、短距離区間を利用する場合の料金は値下がりとなるため、これらの道路のみを利用する経路に係る料金に加えて、例えば、東名高速道路等と名古屋高速道路を連続して利用する経路に係る料金も値下がりとなる場合がある。
 このように、利用する経路により、料金が値上がりとなる場合や値下がりとなる場合があるが、現在の中京圏の高速道路の利用状況に変化がないと仮定した場合、全体としては、料金が値上がりとなる経路を利用する車両の割合が高くなると認識している。

二について

 今般の料金体系の見直しについては、中京圏小委員会の意見を踏まえ、名古屋高速道路及び名古屋第二環状自動車道に対距離制料金を導入し、また、東海環状自動車道内側における料金水準を、高速自動車国道の大都市近郊区間の水準並みの一キロメートル当たり二十九・五二円にそろえることとしたところである。
 これは、中京圏においては東名高速道路や名神高速道路が開通した頃から首都圏や近畿圏より低い料金水準が適用されてきたところ、現在は、中京圏において製造業の著しい集積が見られるなど中京圏が我が国有数の大都市圏を形成していることに加え、東海環状自動車道の整備を加速化するとともに、一宮ジャンクション付近及び東名三好インターチェンジ付近における渋滞解消のためのネットワーク拡充をするに当たって、必要な財源を確保するという観点も踏まえ、決定したものである。

三について

 中京圏小委員会においては、愛知県、名古屋市等の地元地方公共団体等からのヒアリングを行っており、当該ヒアリングにおいては、中京圏における交通の状況について、特に物流や観光等における交通の定時性の確保が重要であるなどの意見が示されたところ、当該意見を踏まえ、令和元年十二月十一日に「中京圏の高速道路を賢く使うための料金体系基本方針」を取りまとめたものであり、当該基本方針を踏まえた今般の料金体系の見直しは、地域の事情を十分に踏まえて決定したものと考えている。

四について

 御指摘の「約二割〜五割の料金値上げとなる」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一についてで述べたとおり、今般の料金体系の見直しについては、利用する経路により、料金が値上がりとなる場合や値下がりとなる場合がある。
 御指摘の「料金水準の整理・統一」は、大都市圏における高速道路料金の共通理念である「料金の賢い三原則」(@「利用度合いに応じた公平な料金体系」、A「管理主体を超えたシンプルでシームレスな料金体系」及びB「交通流動の最適化のための戦略的な料金体系」)を基本とし、中京圏の高速道路をより効率的に「賢く」利用するための見直しであり、高速道路の短距離利用の促進による並行する一般道路の渋滞緩和、環状道路を有効活用した交通の分散による一宮ジャンクション付近や名古屋市中心部等の特定の箇所における渋滞の緩和等の効果が期待されることから、必要な見直しであると認識している。
 その上で、今般の料金体系の見直しに当たり、中日本高速道路株式会社及び名古屋高速道路公社においては、令和三年五月一日に開通を予定している名古屋第二環状自動車道(名古屋西〜飛島)を含む新たな料金に対応した料金システムを構築しており、新たな料金に移行する時期を先送りした場合、開通予定区間に係る料金徴収ができなくなることから、今般の料金体系の見直しの先送りは適切ではないと考えている。

五について

 我が国における高速道路の償還主義は、高速道路の新築や改築等に係る債務や維持管理に要する費用を利用者からの料金収入で賄うことを原則とするものであるところ、料金の徴収期間内において、料金体系を見直し、料金収入の増加を図ることにより、所要のネットワーク整備・拡充に必要な財源を確保することは、償還主義の考え方にのっとったものと考えている。

六について

 令和三年五月一日からの導入を予定している名古屋高速道路の新たな料金については、ETCシステム(有料道路自動料金収受システムを使用する料金徴収事務の取扱いに関する省令(平成十一年建設省令第三十八号)第一条に規定するETCシステムをいう。以下同じ。)ではなく現金等により料金を支払う車両(以下「現金車」という。)の場合、対距離制料金の下では、利用可能な最大距離に係る料金を支払う必要があり、料金が割高になることから、現金車への配慮が必要であると認識している。
 このため、現金車について、できる限りETCシステムによる支払に移行するよう、中日本高速道路株式会社及び名古屋高速道路公社において、同年四月一日からETCシステムの用に供する車載器の購入に対して、最大二万円相当の助成を開始している。また、名古屋高速道路公社においては、現金車の負担軽減策として、同年五月一日から一定の期間において、現金車に係る料金が実質二割程度の割引となるような支援措置を実施することを決定している。
 いずれにせよ、今般の料金体系の見直しについては、高速道路の短距離利用の促進による並行する一般道路の渋滞緩和、環状道路を有効活用した交通の分散による一宮ジャンクション付近や名古屋市中心部等の特定の箇所における渋滞の緩和等の効果が期待されることから、必要な見直しであると認識している。

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