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答弁本文情報

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令和三年五月十八日受領
答弁第一二四号

  内閣衆質二〇四第一二四号
  令和三年五月十八日
内閣総理大臣 菅 義偉

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員阿部知子君提出雨畑ダムの堆砂と水利権に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員阿部知子君提出雨畑ダムの堆砂と水利権に関する質問に対する答弁書


一の1について

 お尋ねの「応急対策で安全が確保できない場合」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和二年四月三十日に日本軽金属株式会社が国土交通省関東地方整備局(以下「関東地方整備局」という。)に提出した雨畑ダム堆砂対策基本計画(以下「基本計画」という。)において、同社が実施することとされている応急対策のうち、仮設堤防の建設及び河道の確保は既に完了しているものと承知している。また、令和元年台風第十号及び同年台風第十九号による豪雨により一級河川富士川水系雨畑川上流域の洪水被害が発生した地区周辺の河道を確保するために、貯水池内の洪水への影響が少ない箇所に一時的に移動させている堆積土砂の下流への搬出についても、今後、搬出先が確保され次第、速やかに実施されるものと承知している。

一の2について

 お尋ねについては、関東地方整備局において、雨畑ダムにおける堆砂により一級河川富士川水系雨畑川上流域の河床が上昇し洪水被害が発生したことを確認しており、このような状況は、河川法(昭和三十九年法律第百六十七号。以下「法」という。)第四十四条第一項の「当該ダムの設置により河川の状態が変化し、洪水時における従前の当該河川の機能が減殺されることとなる場合」に該当するものと考えているが、法第七十五条第二項第三号の「洪水、津波、高潮その他の天然現象により河川の状況が変化したことにより、許可、登録又は承認に係る工事その他の行為が河川管理上著しい支障を生ずることとなつたとき」には該当しないものと考えている。

二の1及び2について

 国土交通省においては、ダムの治水上又は利水上の機能を維持するため、全国のダムを対象とした堆砂状況の調査を行っており、このうち、利水ダムについては、ダム管理者自らによる適切な対策を促すため、ダムの利水機能に影響がある有効貯水容量内の堆砂状況の報告を求めており、当該報告においては、常時満水位以下の堆砂量を計上することとしているところである。
 雨畑ダムについては、個別に常時満水位を超える堆砂量も含めた堆砂量の報告を求めているところ、令和二年十一月時点の堆砂量は約千六百三十一万四千立方メートルであり、基本計画において実施することとされている対策は、この堆砂量全体を対象としたものであると承知している。なお、基本計画は、令和元年九月三日から令和二年三月二十五日まで日本軽金属株式会社が開催していた雨畑地区土砂対策検討会における検討を踏まえ作成されたものであると承知している。

二の3について

 お尋ねの「対応例」については、一の1についてで述べたとおり、令和元年台風第十号及び同年台風第十九号による豪雨により一級河川富士川水系雨畑川上流域の洪水被害が発生した地区周辺の河道を確保するために、貯水池内の洪水への影響が少ない箇所に堆積土砂を一時的に移動させているものであり、応急対策として、既に実施されたものと承知している。

二の4、四及び五について

 お尋ねについては、一の2についてで述べたとおり、関東地方整備局において、雨畑ダムにおける堆砂により一級河川富士川水系雨畑川上流域の河床が上昇し洪水被害が発生したことを確認しており、このような状況は、法第四十四条第一項の「当該ダムの設置により河川の状態が変化し、洪水時における従前の当該河川の機能が減殺されることとなる場合」に該当し、治水上その他の公益上の支障を生じるおそれがないとはいえない可能性があるが、関東地方整備局において、日本軽金属株式会社による基本計画に基づく対策の実施状況を引き続き確認しているところであり、必要と認められる場合には、工作物の除却も含め、指導、技術的助言等の措置を行うことを考えており、現時点においては、御指摘のように「許可を取り消すべき」とは考えていない。

三について

 お尋ねの「指摘事項」については、日本軽金属株式会社から、堆砂によるダムの堤体への影響等に関する検討を行った結果、堆砂がダムの堤体の安定性やダムの機能に直ちに大きな影響を及ぼすことはないとの報告を受けており、政府としても、当該報告の内容を確認し、堆砂によりダムの堤体の安定性を直ちに欠くことになるとは考えていないところである。

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