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答弁本文情報

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令和三年六月二十五日受領
答弁第二一八号

  内閣衆質二〇四第二一八号
  令和三年六月二十五日
内閣総理大臣 菅 義偉

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員早稲田夕季君提出医師、看護師、保育士の公的職業紹介事業の推進に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員早稲田夕季君提出医師、看護師、保育士の公的職業紹介事業の推進に関する質問に対する答弁書


一について

 有料の職業紹介事業については、中間搾取、強制労働等の弊害を伴うおそれがあることから、その業務の適正な運営を確保するため、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第三十条第一項において、厚生労働大臣の許可を受けた者(以下「有料職業紹介事業者」という。)のみが行うことができることとされており、さらに、同法第三十二条の十一第一項において、有料職業紹介事業者は、例えば、現実に重層的な下請関係のもとに業務処理が行われている中で、雇用関係が不明確になることによる雇用管理改善への悪影響が懸念される建設業務に就く職業のように、その職業のあっせんを行うことが当該職業に就く労働者の保護に支障を及ぼすおそれがあるものとして厚生労働省令で定める職業を求職者に紹介してはならないとされているところ、お尋ねについては、医師、看護師及び保育士の職業のあっせんを行うことが、これらの職業の雇用の実態等を踏まえれば、必ずしもこれらの職業に就く労働者の保護に支障を及ぼすおそれがあるとは認められないことから、同項の厚生労働省令で定める職業として規定していないものである。

二について

 職業紹介に係る手数料の水準は労働市場の需給の状況に応じて変動し得るものであり、また、職業紹介に要する経費も求人の内容に応じて様々であるため、御指摘の「紹介手数料の一定の基準設定、つまり上限を定める」ことについては、慎重な検討が必要であると考えている。また、お尋ねの「二〇一七年の法改正」は、職業紹介事業の適正な事業運営を確保するために行ったものであり、必ずしも職業紹介に係る手数料の引下げを目的としたものではないため、「二〇一七年の法改正による手数料引き下げの効果」についてお答えすることは困難である。

三について

 御指摘の「医療・介護・保育分野の適正な有料職業紹介事業者の基準」については、令和二年度に、有料職業紹介事業者と業界団体が参画する「職業紹介事業に関する協議会」において、「適正な有料職業紹介事業者の基準」として、医療、介護及び保育の分野ごとに策定されたものであるところ、必ずしも職業紹介に係る手数料の引下げを目的としたものではないため、「手数料の引き下げの効果」についてお答えすることは困難である。厚生労働省としては、引き続き、求人者へのこれらの基準の周知等を通じて適正な職業紹介事業者の利用を促し、労働市場において職業紹介事業者が適切にその役割を果たせるようにしてまいりたい。また、御指摘の「基準に適合した優良事業者の認定」については、今後検討してまいりたい。

四について

 厚生労働省においては、公共職業安定所の人員について、雇用情勢の変化等に的確に対応できるよう、必要な体制の確保に努めている。
 御指摘の「医療機関や保育施設など求人側への営業力をこれまで以上に増強する」ことの意味するところが必ずしも明らかではないが、公共職業安定所においては、医療や保育をはじめとした人材不足の分野に係る専門窓口を拡充し、求人者の支援を実施している。また、御指摘の「ハローワークインターネットサービスの改修」については、令和三年度中に、求職の申込みや求人への応募等をスマートフォン等から二十四時間受け付けることを可能とする予定である。

五について

 御指摘の「求人側への営業により力を入れ」の意味するところが必ずしも明らかではないが、公共職業安定所においては、医師についても職業紹介の対象としているものの、現時点においては、公共職業安定所において医師の職業紹介を希望する求職者が極めて少ないことから、大規模な求人開拓を行う状況ではなく、求職者の要望に応じて個別に求人開拓等の対応をしてまいりたい。

六について

 いわゆる「潜在看護師」(以下「潜在看護師」という。)の全てが、ある時点で就労意欲を持っているわけではなく、また、就労意欲を持っている潜在看護師は、都道府県ナースセンターのほか、公共職業安定所や民間の職業紹介事業者への求職の申込みなど多様な求職活動を行っていることから、都道府県ナースセンターの周知が御指摘のように「求人側にも求職側にも十分に進んでいない」とは一概には言えないと考えるが、政府としても、潜在看護師の活用を進める観点から、都道府県ナースセンターの周知は重要であると考えている。このため、都道府県ナースセンターにおいては、公共職業安定所や地方公共団体と連携し、ポスターやチラシの配布、新聞広告、広報誌、ホームページ等による周知広報等を行っており、厚生労働省においても、中央ナースセンターのホームページ等における都道府県ナースセンターの事業に関する広報活動に対する支援を行っているところである。特に、今般の新型コロナウイルス感染症に係る予防接種に従事する人材の確保に関する求人に当たっては、市町村(特別区を含む。以下同じ。)に対する都道府県ナースセンターの周知が課題の一つであると考えられたことから、市町村等に対し、「新型コロナワクチンの接種体制の強化に向けた協力依頼について」(令和三年五月二十六日付け厚生労働省健康局及び医政局事務連絡)を発出し、都道府県ナースセンターの事業について周知を図ったところであり、引き続き、様々な手段により周知に努めてまいりたい。
 また、御指摘の「医療のお仕事Key−Net」は、新型コロナウイルス感染症に対応する地域の医療機関等の求人情報を掲載したものであり、その活用状況も踏まえつつ、同省のホームページやSNS等を通じて周知を図ってきており、周知が「十分に進んでいない」とは一概には言えないと考えるが、引き続き、様々な手段により周知に努めてまいりたい。
 また、御指摘の「求人数、求職者数」については、社会経済情勢によって変化するものであり、また、地域の実情によって様々であること等から、現時点で数値目標を定めることは考えていないが、看護師等の確保については、令和七年時点の看護職員の需給推計等を踏まえ、都道府県ごとに地域偏在や領域偏在等の地域の実情に応じて進めることが重要であり、新規養成、離職防止及び定着促進に関する取組を総合的に講じていくこととしている。

七について

 御指摘の「公的な無料の職業紹介事業」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「ハローワーク」、「ナースセンター」及び「医療のお仕事Key−Net」については、求人のオンラインによる受付など、利用者のニーズを踏まえた利便性の向上に努めてきており、引き続き、求人者及び求職者の双方のニーズを踏まえ、サービスの向上に努めてまいりたい。

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