答弁本文情報
令和六年六月二十八日受領答弁第一八二号
内閣衆質二一三第一八二号
令和六年六月二十八日
内閣総理大臣 岸田文雄
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員早稲田ゆき君提出緊急避妊薬販売に係る環境整備のための調査事業に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員早稲田ゆき君提出緊急避妊薬販売に係る環境整備のための調査事業に関する質問に対する答弁書
一の前段について
お尋ねについて、御指摘の「調査事業」においては、十八歳及び十九歳の「回答者数」に限定した評価は実施されていないが、十六歳及び十七歳の「回答者数」が少ないことについては、当該事業においては御指摘の「緊急避妊薬」を十六歳及び十七歳の者に販売するに当たり、保護者の同伴や、薬剤師による年齢の確認を要しているところ、当該同伴がなかったり、当該確認ができなかったこと等により販売に至らなかったことが主な原因と考えている。
一の後段について
お尋ねについて、御指摘の「若い世代」の具体的に指し示す範囲が必ずしも明らかではないが、その範囲が、御指摘の「調査事業」が対象としている十六歳以上の世代と解すれば、御指摘のように「緊急避妊薬へのアクセスを改善する」ことは、「SRHR(性と生殖に関する健康と権利)の観点から」も必要であると考えている。
二について
御指摘の調査については、民間団体が独自に行った調査であり、政府として見解を述べることは差し控えたい。
三について
御指摘の「webサイト」については、厚生労働省が公益社団法人日本薬剤師会(以下「日本薬剤師会」という。)に委託して実施している令和五年度の「緊急避妊薬販売に係る環境整備のための調査事業」(以下「令和五年度調査事業」という。)及び令和六年度の「緊急避妊薬の適正販売に係る環境整備のための調査事業」(以下「令和六年度調査事業」という。)の一環として、これまでも必要に応じ改善を行ってきたところではあるが、引き続き、日本薬剤師会とも連携の上、御指摘の「検索」に係る検討も含め、不断の改善を図ってまいりたい。また、御指摘のように「試験販売を実施していない薬局においても、ポスターを貼るなどの周知徹底策を講じる」ことについては、「試験販売を実施していない薬局」において「緊急避妊薬」が購入可能であるとの誤解を招き、御指摘の「調査事業」が適切に実施できなくなるおそれがあることから、慎重な検討が必要と考えている。
四について
令和五年度調査事業においては、御指摘のような「販売しなかった、また販売できなかった事例」のうち十六歳及び十七歳に係るものについて薬局からの回答を通じて把握しており、その主な原因については、一の前段についてで述べたとおりである。令和六年度調査事業においても、引き続き、販売に至らなかった事例について適切に調査してまいりたい。
五について
御指摘の「二年度目の期間中、さらに薬局数を増やすこと」の意味するところが明らかではないが、いずれにせよ、令和六年度調査事業においては、令和五年度調査事業から参加薬局数を増やして実施することを検討中である。また、「休日・夜間対応を参加条件から外すべきではないか」とのお尋ねについては、これらの事業に参加する薬局自らが「休日・夜間」に販売しない場合であっても、「休日・夜間」にも電話対応し、参加薬局における購入を案内できる体制を構築すること等をもって参加条件を満たすこととする等、柔軟な対応を行っており、御指摘のように「休日・夜間対応を参加条件から外すべき」とは考えていない。
六について
前段のお尋ねについては、御指摘のような「産婦人科医が決まってから薬局選定を行う」事例は具体的には承知していないが、令和五年度調査事業及び令和六年度調査事業においては、「近隣の産婦人科医、ワンストップ支援センターとの連携体制を構築可能」であることを参加する薬局の要件としているため、参加薬局は地域における産婦人科医との連携が必要である。
後段のお尋ねについて、御指摘のような「産婦人科医がなかなか決まらない」という事例は具体的には承知していないが、当該連携体制の構築については、令和五年度調査事業を実施する日本薬剤師会が公益社団法人日本医師会及び公益社団法人日本産婦人科医会に対して、協力依頼を行っていると承知している。
七について
御指摘の「緊急避妊薬のオンライン処方に係る調剤研修」については、「「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を踏まえた緊急避妊に係る診療の提供体制整備に関する薬剤師の研修について(依頼)」(令和二年一月十七日付け薬生総発〇一一七第七号厚生労働省医薬・生活衛生局総務課長通知)において、日本薬剤師会及び都道府県薬剤師会が実施することとし、実施する都道府県の薬剤師の希望者が参加できるよう最大限配慮するよう依頼しているところ、当該研修の方法については、一義的には、日本薬剤師会及び都道府県薬剤師会において、当該研修が効果的に実施されるよう検討されるものであり、また、オンライン等の方法により実施している事例もあると承知しているため、現時点では、御指摘のように「日本薬剤師会に要請するべき」とは考えていない。
八について
令和七年度以降の御指摘の「調査事業」の実施については、令和七年度予算の概算要求に向けて検討中であり、お尋ねについて、現時点で予断を持ってお答えすることは困難である。なお、御指摘の「OTC化」については、今後、令和五年度調査事業及び令和六年度調査事業の結果を踏まえて検討することになるが、いずれにせよ、御指摘の「緊急避妊薬」を必要とする方が入手し、適切に使用することが可能となるよう必要な対応を検討してまいりたい。