答弁本文情報
令和六年十一月二十二日受領答弁第一二号
内閣衆質二一五第一二号
令和六年十一月二十二日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員松原仁君提出拉致被害者救出のための圧力強化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員松原仁君提出拉致被害者救出のための圧力強化に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねについては、個別具体的な債権回収に関わる事柄であり、株式会社整理回収機構(以下「整理回収機構」という。)における今後の債権回収業務に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。
二について
お尋ねについては、令和三年四月一日から令和六年十一月十四日までの間に、整理回収機構は在日本朝鮮人総聯合会(以下「朝鮮総聯」という。)から約十三万円を回収しており、また、令和三年四月一日から令和六年十一月十四日までの間に発生した遅延損害金は、約百三億円である。
三について
前段のお尋ねについては、我が国は、プーチン・ロシア大統領に対して外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号。以下「外為法」という。)に基づく資産凍結等の措置を講じている。
また、後段のお尋ねについては、今後の対応に支障を来すおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。
四及び五について
お尋ねについては、今後の対応に支障を来すおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。
六について
拉致問題を含む北朝鮮をめぐる問題が、国際連合安全保障理事会(以下「安保理」という。)において公式に公開の場で取り上げられることは極めて重要である。我が国としては、拉致問題の重要性に鑑み、北朝鮮の人権状況について安保理で議論を行うべく尽力してきており、令和六年六月十二日、安保理において、我が国を含む安保理理事国による要請に基づき、北朝鮮の人権状況について協議するための公開会合が開催された。同会合では、我が国から、北朝鮮による人権侵害や安保理決議違反について指摘するとともに、特に拉致問題の即時解決に向けた支持と協力を強く呼び掛けた。同会合をしかるべく今後につなげていくことが重要であり、北朝鮮の人権状況について、適切な機会に安保理で議論が行われるよう、米国及び韓国を始めとする他の理事国と緊密に連携してまいりたい。
七について
我が国においては、退去強制手続を定める出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)に基づき、安保理決議第二千二百七十号の主文第十四項に定める義務を誠実に履行しているところである。
八について
お尋ねの「本年末に国連総会に提出される北朝鮮人権状況決議案」への対応については、政府として、諸情勢を総合的に勘案しながら、適切に対応してまいりたい。
九について
御指摘の安保理決議第二千二百七十号の主文第十七項及び安保理決議第二千三百二十一号の主文第十項については、政府としては、北朝鮮籍を有する者の入国を原則禁止し、また、在日外国人である核・ミサイル技術者の北朝鮮を渡航先とした再入国を禁止し、さらに、特定技術を北朝鮮に提供する等の役務取引を禁止するという措置を講じている。
十について
お尋ねについては、米国の大統領令による資産凍結等の措置の適用に関するものであり、同国政府の見解について問うものであるため、政府としてお答えする立場にない。なお、金融庁においては、「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」(平成三十年二月六日金融庁作成、令和三年十一月二十二日改定)に基づき、海外拠点等を有する我が国の金融機関等グループに対して、海外拠点等が属する国の制裁に係る法規制等が我が国よりも厳格である場合も勘案しつつ、グループとして一貫したマネロン・テロ資金供与対策に係る方針等を策定し、同方針等に基づき、顧客の受入れ、顧客管理等についてグループ全体で整合的な形で実施することを求めることとしている。
十一について
お尋ねの「セカンダリーサンクション」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねについては、今後の対応に支障を来すおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。
十二について
我が国は北朝鮮を国家承認しておらず、外交関係も有していない。したがって、朝鮮総聯は、北朝鮮との関係で外交関係に関するウィーン条約(昭和三十九年条約第十四号)の使節団には当たらない。
また、お尋ねの「朝鮮総連に対して、・・・「全力を尽くす。」との決定どおりに実施すべき」の趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「現行法制度の下での厳格な法執行を推進する」ことについては、政府として、現行法制度の下、「拉致問題の解決に向けた方針と具体的施策」(平成二十五年一月二十五日拉致問題対策本部決定)を踏まえ、我が国の対北朝鮮措置としてこれまで実施してきている各種措置等の厳格な執行に引き続き努めていく考えである。
十三について
お尋ねの「北朝鮮の核若しくは弾道ミサイル計画又は安保理決議により禁止されたその他の活動に貢献する可能性が二割以上ある金融サービスの提供を禁圧する義務」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、外為法に基づき、安保理決議第二千九十四号の主文第十一項に定める義務を誠実に履行しているところである。