答弁本文情報
令和七年三月四日受領答弁第六三号
内閣衆質二一七第六三号
令和七年三月四日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員竹上裕子君提出選択的夫婦別氏制度の導入反対に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員竹上裕子君提出選択的夫婦別氏制度の導入反対に関する質問に対する答弁書
一及び六について
お尋ねの「第一には考えていない」及び「戸籍制度を維持する観点から」の意味するところが必ずしも明らかではないが、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方については、国民の間に様々な意見があり、政府としては、これらの国民各層の意見や国会における議論の動向等を踏まえ、更なる検討をする必要があるものと考えているところである。
二の1について
お尋ねの「別氏夫婦の子が被る不利益等」の意味するところが必ずしも明らかではないが、法務大臣の諮問機関である法制審議会においては、夫婦及び親子の氏が別々になるため、家族の一体感を確保する上で問題があるとの指摘等を踏まえた検討が行われ、平成八年二月に、選択的夫婦別氏制度の導入等を内容とする「民法の一部を改正する法津案要綱」の答申がされたものと承知している。
二の2について
お尋ねの「弁護士等の他者を介して、戸籍等の証明書を請求する機会が増えることにより、戸籍に記録された情報が漏洩、悪用されるリスクが高まる」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
三について
お尋ねの「当事者である子ども達を対象として」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、年齢等を問わず、幅広い層の国民の意見を注視していく必要があるものと考えており、お尋ねの意識調査の要否を含め、国民意識の動向等を適切に把握するための調査の在り方については、不断に検討していく必要があると考えている。
四について
現時点において、御指摘の「平成八年の法制審議会答申」のうち、選択的夫婦別氏制度の導入に係る法案を提出しておらず、お尋ねの「同答申に沿った法改正を行った場合」の戸籍証明書の記載事項等が定まっていないため、この場合の「戸籍情報システム等」の改修に係る費用の積算は行っていない。
五の1について
お尋ねの「同一戸籍・同一氏の原則」の意味するところが必ずしも明らかではないが、戸籍は、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第六条の規定により、市町村の区域内に本籍を定める一の夫婦及びこれと氏を同じくする子ごとにこれを編製するものとされているところであり、この戸籍編製の基準は、親族的身分関係の公証の便宜に資するものと認識している。
五の2について
お尋ねの「それらの意義、機能等」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「平成八年の法制審議会答申に沿った法改正を行った場合」であっても、戸籍制度による親族的身分関係の公証という意義は変わるものではないと考えている。
七について
御指摘の「通称使用によるトラブル」については、旧姓を通称として使用する者に係る個別的事情により異なるものと考えられることから、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。