答弁本文情報
令和七年三月七日受領答弁第六五号
内閣衆質二一七第六五号
令和七年三月七日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員屋良朝博君提出沖縄県における鉄軌道等の整備に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員屋良朝博君提出沖縄県における鉄軌道等の整備に関する質問に対する答弁書
一について
御指摘の「沖縄鉄軌道の整備に国が主体的にかかわること」の意味するところが必ずしも明らかではないが、沖縄島内における交通の状況に鑑み、内閣府において、沖縄の鉄軌道等に関する調査を実施してきているところであり、また、「沖縄振興基本方針」(令和四年五月十日内閣総理大臣決定)において「新たな鉄道、軌道その他の公共交通機関の整備の在り方について、関連する技術の進歩の状況や既存の公共交通との関係、まちづくりとの連携等にも留意しつつ、全国新幹線鉄道整備法(昭和四十五年法律第七十一号)を参考とした特例制度を含め調査及び検討を進め、その結果を踏まえて一定の方向を取りまとめ、所要の措置を講ずる」こととしていることから、引き続き調査を行っていく考えである。
二の1について
お尋ねの「直ちに事業実施の妨げにならない」の意味するところが必ずしも明らかではないが、国土交通省作成の「鉄道プロジェクトの評価手法マニュアル(二千十二年改訂版)」(以下「マニュアル」という。)においては、「費用便益分析は、(中略)社会的な視点からの事業効率性を評価するもの」とされており、マニュアルが対象とするプロジェクトの評価に当たり、御指摘の「費用便益比」は考慮すべき要素の一つであると考えている。
二の2について
お尋ねについては、仮定の質問であり、お答えすることは困難である。
二の3について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、内閣府における沖縄の鉄軌道等に関する調査においては、マニュアルに準拠して、御指摘の「費用便益比の算出」を行っているところであり、マニュアルにおいては、例えば、「総所要時間の短縮便益」について、御指摘の「貨物利用」を除いて算出しているものではない。
三の1について
お尋ねについては、「沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」(令和四年三月九日衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会)の十一において「鉄軌道を含む新たな公共交通システムの導入に向け、公共交通機関に関連する技術の進歩の状況その他の事情を踏まえて、全国新幹線鉄道整備法を参考とした特例制度についても調査及び検討を行うこと」とされていること及び「沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」(令和四年三月三十日参議院政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会)の十三において「鉄軌道を含む新たな公共交通システムの導入に向け、公共交通機関に関連する技術の進歩の状況その他の事情を踏まえ、全国新幹線鉄道整備法を参考とした特例制度についても調査及び検討を行うこと」とされていることを踏まえ、内閣府における沖縄の鉄軌道等に関する調査において、令和四年度から、御指摘の「特例制度」を含めて調査及び検討を行っているところである。
三の2について
お尋ねについては、仮定の質問であり、また、その趣旨が明らかではないため、お答えすることは困難である。
四の1について
沖縄県内の渋滞については、令和四年十二月七日の衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会において、岡田国務大臣(当時)が「これまでも沖縄県の道路整備を着実に進めてきたところでありますが、いまだに、那覇市などにおける全国と比較しても深刻な渋滞の緩和・・・が道半ばでありまして、課題になっているという認識であります。」と答弁しているとおりであり、引き続き、地元自治体と連携し、幹線道路網等の整備を実施してまいりたい。
四の2について
那覇市において、令和六年三月に「那覇市LRT整備計画素案」を作成したことは承知している。同計画素案は、同市の考え方を取りまとめたものと承知しており、同計画素案に関する見解については、政府としてお答えする立場にない。
また、現時点で、お尋ねの「国の財政的・制度的な具体的支援」をお示しすることは困難であるが、今後、同市からの相談等があれば、適切に対応してまいりたい。