答弁本文情報
令和七年六月二十四日受領答弁第二六六号
内閣衆質二一七第二六六号
令和七年六月二十四日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員松原仁君提出外国人による不動産所有と民法上の相互主義に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員松原仁君提出外国人による不動産所有と民法上の相互主義に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「日本の民法における相互主義」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、民法(明治二十九年法律第八十九号)第三条第二項は、「外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。」と規定し、外国人の私権の享有についていわゆる内外人平等の原則を採用したものと承知している。
二について
現行法上、外国人は、その国籍にかかわらず、原則として、日本国内の不動産を所有することが可能である。
三及び五について
お尋ねの「制度的な不公平を生じさせる」、「相互主義を徹底するため」及び「日本人が当該国で不動産を所有できない国の国民には、日本国内での不動産所有を制限するための外国人土地法の改正」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、我が国における外国人等による不動産取得の規制の在り方については、関係府省庁の連携を図りつつ、それぞれの政策目的に応じた制限の必要性や個人の財産権の保障、国際約束との整合性等の諸事情を総合的に考慮した上で、検討していく必要があると考えている。
四について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、不動産に関する法制度については、外国人に対する規制の有無や、規制がある場合のその趣旨、目的、内容等を含めて、国によって様々であるため、お尋ねの「認識」を一概にお示しすることは困難である。
六について
前段のお尋ねについては、令和七年三月十三日の参議院国土交通委員会において、政府参考人が「近年のマンション価格の上昇につきましては、供給と需要の両面での様々な要因によるものというふうに認識をいたしております。具体的には、まず、供給の面におきましては、資材価格や労務費の上昇などに伴います建設コストの上昇、開発適地の減少、ホテルなど住宅以外の用途の事業との競合に伴う用地取得費の上昇などが影響しているというふうに考えてございます。また、需要の面につきましては、都市の再開発による魅力向上などを背景といたしました都市部への人口流入や、立地等に優れた都心部等のマンションを求める共働き世帯の増加などが影響しているというふうに考えているところでございます。」と答弁したとおりであり、お尋ねの「マンション等の不動産の価格高騰」の要因について、一概にお答えすることは困難である。
後段のお尋ねについては、「そのような問題意識を踏まえた調査・分析」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、同年六月十三日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針二〇二五」において、「外国人を含めた全国の土地等の透明性を高めるため、土地に関連する台帳の所有者等の情報、データベースの充実について対応を検討する」こととされており、政府としては、これを踏まえ、必要な検討を進めてまいりたい。
七について
お尋ねの「東京二十三区の住宅市場において、居住目的ではなく投資目的で取得された不動産が占める割合」については、現時点では、政府として把握していない。