答弁本文情報
令和七年六月二十四日受領答弁第二七〇号
内閣衆質二一七第二七〇号
令和七年六月二十四日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員落合貴之君提出昨今の政府の経済財政運営に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員落合貴之君提出昨今の政府の経済財政運営に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「この原因」の意味するところが必ずしも明らかではないが、債務残高対GDP比が御指摘のように「コロナ禍前よりも一・五ポイント改善している」原因については、令和七年六月九日の参議院決算委員会において、中山財務省主計局次長が「IMFが公表する一般政府債務残高対GDP比は債務を時価評価しておりまして、足下で金利が上昇する中、債務残高の大きい我が国では時価の減少が比率の低下に大きく寄与していると承知してございます。」と答弁したとおりである。
また、実質の民間最終消費支出について、令和七年一−三月期の値が令和元年の値を下回っている原因として、他のG7諸国では、物価上昇率が低下する中で、名目賃金の伸びがこれを上回っている一方で、我が国では、名目賃金の伸びが物価上昇率を安定的に上回る状況には至っていないことなどがあると認識している。
二について
御指摘の「これらのデータからは、「財政あっての経済」、すなわち、財政健全化が優先された結果、マクロ経済政策の選択肢が歪められてしまったことが読み取れる」の意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、令和七年一月十七日に開催された経済財政諮問会議において、石破内閣総理大臣が「我が国の成長型経済への移行を確実なものとするため、二千二十五年度のプライマリーバランス黒字化目標はございますが、「経済あっての財政」の考え方の下、必要な経済対策や税制改正を実施いたしてまいりました。今回の「中長期試算」では、二千二十五年度のプライマリーバランスは黒字化しない見込みが示されたものの、プライマリーバランス目標を掲げた二千一年度以降で最も赤字幅を縮小させることができる見通しであります。」と述べたとおり、「経済あっての財政」という考え方の下、経済再生と財政健全化の両立に向けて取り組んできたところであり、御指摘のように「マクロ経済政策の選択肢が歪められてしまった」とは考えていない。