答弁本文情報
令和七年六月二十四日受領答弁第二八〇号
内閣衆質二一七第二八〇号
令和七年六月二十四日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員屋良朝博君提出沖縄・地域安全パトロール事業に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員屋良朝博君提出沖縄・地域安全パトロール事業に関する質問に対する答弁書
一について
平成二十八年五月二十六日に政府に置かれた「沖縄県における犯罪抑止対策推進チーム」において同年六月三日に決定された「沖縄県における犯罪抑止に関する対策について」における「沖縄・地域安全パトロール隊」(以下「パトロール隊」という。)による緊急防犯パトロール(以下「緊急防犯パトロール」という。)は、犯罪抑止として事に至らないために何ができるかという点を眼目とするものであり、御指摘の「効果」を定量的にお示しすることは困難であることから、具体的な成果を周知することはしていない。なお、パトロール隊に対し、地元住民からは「見守ってもらって安心する」といった激励や感謝の言葉も得られていると承知している。
二及び三について
緊急防犯パトロールについては、令和二年度及び令和三年度は、一日につき車両百台で、一台当たり二名が乗車し、一日当たりの総人員数は二百名であり、平日、休日の別を問わず、毎日午後七時から午後十時まで及び午後十一時から翌日午前五時までの時間帯で実施していたところ、令和四年度からは、一日につき車両延べ百台で、一台当たり二名が乗車し、一日当たりの総人員数は延べ二百名であり、平日、休日の別を問わず、毎日午後七時から翌日午前六時までの時間帯で実施している。また、政府としては、緊急防犯パトロールのより効果的な運用を考え、巡回ルート等について、沖縄県警察の意見等も踏まえ、不断に見直しているところである。
四について
御指摘の「沖縄・地域安全パトロール事業」の予算について、令和元年度から令和五年度までの各年度における@予算額、A執行額及びB執行率をお示しすると、それぞれ次のとおりであり、令和六年度の予算額は約四億二千五百万円であり、令和七年度の予算額は約四億二千百万円である。
令和元年度 @約八億六千八百万円 A約七億六千九百万円 B約八十九パーセント
令和二年度 @約八億六千八百万円 A約八億五千二百万円 B約九十八パーセント
令和三年度 @約七億三千万円 A約六億二千二百万円 B約八十五パーセント
令和四年度 @約四億六千五百万円 A約三億七千万円 B約八十パーセント
令和五年度 @約四億六千五百万円 A約三億八千二百万円 B約八十二パーセント
五について
緊急防犯パトロールは、沖縄県における犯罪抑止を目的として実施するものであり、特定の者を対象に行うものではないが、緊急防犯パトロールを開始した平成二十八年六月十五日から令和七年四月三十日までにおけるパトロール隊から警察への通報及びそのうち米軍関係者(米軍の構成員若しくは軍属又はそれらの家族をいう。以下同じ。)による事件・事故に係る警察への通報それぞれについて、各年度における@総件数、A通報件数の多い順に通報の内容及びその内容の通報件数を@で除して算出した割合並びにB@のうち被疑者の逮捕に至った件数をお示しすると、それぞれ次のとおりである。
パトロール隊から警察への通報
平成二十八年度 @四十八件 A泥酔者対応(約三十一・三パーセント)、その他(深夜徘徊等)(約二十七・一パーセント)、交通関係(二十五・〇パーセント)、少年補導(約六・三パーセント)、けんか・口論(約六・三パーセント) B零件
平成二十九年度 @四百九十二件 A泥酔者対応(約七十七・二パーセント)、交通関係(約六・九パーセント)、少年補導(約六・七パーセント)、その他(深夜徘徊等)(約六・五パーセント)、不審者(約二・〇パーセント) B二件
平成三十年度 @三百六十五件 A泥酔者対応(約七十九・二パーセント)、その他(深夜徘徊等)(約十一・二パーセント)、交通関係(約六・六パーセント)、少年補導(約一・四パーセント)、不審者(約一・一パーセント) B零件
令和元年度 @三百三十四件 A泥酔者対応(約八十五・六パーセント)、その他(深夜徘徊等)(約十・八パーセント)、交通関係(約二・一パーセント)、不審者(約一・二パーセント)、けんか・口論(約〇・三パーセント) B零件
令和二年度 @三百五十二件 A泥酔者対応(約六十九・〇パーセント)、その他(深夜徘徊等)(約二十五・三パーセント)、交通関係(約三・七パーセント)、少年補導(約一・四パーセント)、不審者(約〇・三パーセント) B零件
令和三年度 @二百八十七件 A泥酔者対応(約六十一・三パーセント)、その他(深夜徘徊等)(約二十九・三パーセント)、交通関係(約六・三パーセント)、少年補導(約二・一パーセント)、けんか・口論(約一・〇パーセント) B一件
令和四年度 @二百五十五件 A泥酔者対応(約七十七・六パーセント)、その他(深夜徘徊等)(約十六・五パーセント)、交通関係(約五・一パーセント)、少年補導(約〇・四パーセント)、けんか・口論(約〇・四パーセント) B零件
令和五年度 @二百七件 A泥酔者対応(約六十三・八パーセント)、その他(深夜徘徊等)(約二十三・七パーセント)、少年補導(約六・三パーセント)、交通関係(約四・八パーセント)、けんか・口論(約一・〇パーセント) B零件
令和六年度 @三百四十二件 A泥酔者対応(約五十一・五パーセント)、少年補導(約二十・五パーセント)、その他(深夜徘徊等)(約十五・八パーセント)、交通関係(約十一・四パーセント)、けんか・口論(約〇・六パーセント) B一件
令和七年度 @二十五件 A泥酔者対応(六十・〇パーセント)、その他(深夜徘徊等)(二十八・〇パーセント)、交通関係(四・〇パーセント)、少年補導(四・〇パーセント)、不審者(四・〇パーセント) B零件
米軍関係者による事件・事故に係るパトロール隊から警察への通報
平成二十八年度 @二件 A交通関係(五十・〇パーセント)、けんか・口論(五十・〇パーセント) B零件
平成二十九年度 @四件 A泥酔者対応(七十五・〇パーセント)、交通関係(二十五・〇パーセント) B零件
平成三十年度 @一件 A交通関係(百パーセント) B零件
令和元年度 @一件 A泥酔者対応(百パーセント) B零件
令和二年度 @二件 A泥酔者対応(五十・〇パーセント)、交通関係(五十・〇パーセント) B零件
令和三年度 @零件 B零件
令和四年度 @一件 Aその他(深夜徘徊等)(百パーセント) B零件
令和五年度 @零件 B零件
令和六年度 @一件 A泥酔者対応(百パーセント) B零件
令和七年度 @一件 Aその他(深夜徘徊等)(百パーセント) B零件
六について
お尋ねの「通報に至らない声かけの件数及び事件事故を予防した件数」については、政府において把握していない。
七について
緊急防犯パトロールの実施に当たっては、犯罪を企図する者や不審者等を発見した場合は、速やかに警察に通報することとなっており、お尋ねの「警察以外の者(防衛省、沖縄防衛局、在日米軍等)に対する通報」は行っていない。