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答弁本文情報

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令和七年十一月二十一日受領
答弁第五七号

  内閣衆質二一九第五七号
  令和七年十一月二十一日
内閣総理大臣 高市早苗

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員八幡愛君提出創作者主義の理念に基づく著作者の権利保護の在り方に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員八幡愛君提出創作者主義の理念に基づく著作者の権利保護の在り方に関する質問に対する答弁書


一について

 お尋ねの「実態としては米国型の「ワーク・メイド・フォー・ハイヤー」的運用」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン(検討のまとめ)」(令和四年七月二十七日文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けた検討会議公表、令和六年十月二十九日改訂。以下「本ガイドライン」という。)において、「事業者等と芸術家等がどのような内容で取引をするかは、原則として、当事者間で自由に決められるものであるが、実際には、力関係の差や交渉力の差により、事業者等からの一方的な内容となっているような状況が生じていると指摘されている。」とされている。

二について

 お尋ねについては、例えば、「役務の委託取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の指針」(平成十年三月十七日公正取引委員会策定(最終改正 平成二十九年六月十六日))では、「ソフトウェア開発、テレビ番組制作等の委託取引のように受託者が役務を提供して得られる成果物(以下「情報成果物」という・・・)」に係る取引について、「情報成果物が取引の対象となる役務の委託取引にあっては、(中略)取引上優越した地位にある委託者が、受託者に対し、当該成果物が自己との委託取引の過程で得られたこと又は自己の費用負担により作成されたことを理由として、一方的に、これらの受託者の権利を自己に譲渡(許諾を含む。・・・)させたり、当該成果物、技術等を役務の委託取引の趣旨に反しない範囲で他の目的のために利用すること(二次利用)・・・を制限する場合などには、不当に不利益を受託者に与えることとなりやすく、優越的地位の濫用として問題を生じやすい」との考え方を示している。

三について

 お尋ねの「いわゆる職務著作に係る規定が、・・・実質的に適用されているとの実態」及び「そのような運用」の意味するところが明らかではなく、また、著作権の帰属等に関する個々の契約内容について、政府として網羅的に把握しているわけではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

四について

 諸外国における著作権制度についてその詳細を網羅的に把握しているわけではなく、また、著作権制度の在り方は各国によって様々であり、お尋ねの「日本法」が「劣後している」か否かについて一概に評価することは困難である。いずれにせよ、我が国においては、著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)等により、著作権の適切な保護が図られていると認識している。

五について

 お尋ねの「著作者の権利が実質的に保護されていない現状」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一についてで述べた「指摘」があることは承知しており、文化庁としては、「安心・安全な環境での持続可能な文化芸術活動の実現を図ることを目的」とした本ガイドラインや、「著作権に関する契約書を作成する際の留意点や条項例について、事例に則して説明」した「誰でもできる著作権契約マニュアル」(令和五年三月文化庁著作権課作成)を作成し、周知するなどの取組を行っているところであり、引き続き、こうした取組を通じて著作権に関する契約等に対する理解の促進を図ってまいりたい。

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