答弁本文情報
令和七年十一月二十一日受領答弁第五九号
内閣衆質二一九第五九号
令和七年十一月二十一日
内閣総理大臣 高市早苗
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員阿部祐美子君提出火葬場の経営・管理に関する指導監督等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員阿部祐美子君提出火葬場の経営・管理に関する指導監督等に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「広域的な整理が必要」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、仮に御指摘の「立地区」が他の「自治体」の協力を得て「指導監督業務」を行うべきとの趣旨のお尋ねとすれば、墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号。以下「法」という。)の規定に基づく御指摘の「指導監督業務」については、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第八項に規定する自治事務であり、「立地区」において、地域の実情に応じて適切に判断されるべきものであると考えている。
二について
お尋ねの「指導権限の中には、・・・事業者に求めることは、現行法上可能か」の意味するところが必ずしも明らかではないが、法第十九条の規定に基づく御指摘の「指導権限」の行使として「火葬需要に合わせた対応能力の増強または縮小を事業者に求めることは、」「可能か」との趣旨のお尋ねとすれば、同条の規定においては、「都道府県知事は、公衆衛生その他公共の福祉の見地から必要があると認めるときは、・・・火葬場の・・・全部若しくは一部の使用の制限若しくは禁止を命じ、又は第十条の規定による許可を取り消すことができる」とされているところ、同条の規定により、お尋ねの「増強」を求めることはできず、また、「火葬需要に合わせた対応能力の・・・縮小を事業者に求める」状況等は様々であると考えられることから、「縮小」を求めることが「可能か」否かについて一概にお答えすることは困難である。
三について
御指摘の「この内容だけでは料金の高額化に歯止めをかけるのは困難」の意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、「火葬場の経営・管理に関する指導監督について」(令和七年十月三十一日付け健生衛発一〇三一第二号厚生労働省健康・生活衛生局生活衛生課長通知。以下「指導監督通知」という。)において示しているとおり、「火葬料金について、火葬場の経営・管理に必要な費用に比べて明らかに高く、事実上、利用者が利用できないような法外な料金設定となっていないかどうか」について「確認」を行い、「火葬場に対して、火葬料金の設定の考え方や根拠等について明らかにするよう求めること」等を通じて、当該料金の額の改善につながる場合もあるものと考えている。
四について
お尋ねについては、例えば、指導監督通知において示しているとおり、「誰もが火葬場を利用できる」よう、「火葬場に対して、火葬料金の設定の考え方や根拠等について明らかにするよう求めること」や、指導監督通知において示している「火葬料金について、火葬場の経営・管理に必要な費用に比べて明らかに高く、事実上、利用者が利用できないような法外な料金設定」となっている場合に、一定の指導を行うことは、現行法令に反するものではないと考える。
五について
お尋ねについては、御指摘の「条例」の個別具体の内容等によるものと考えられ、「可能か」否かについて一概にお答えすることは困難であるが、一般論として申し上げれば、条例により、火葬場を誰もが利用することができるよう、御指摘の「火葬料金」に関して一定の規制を行うことは、火葬等が支障なく行われることを旨とする法の趣旨目的を損なわない限りにおいて、「法律の範囲内で条例を制定することができる」と定める憲法第九十四条に必ずしも反するものではないと考える。なお、その規制の具体的内容については、これにより一定の制限がなされることとなる営業の自由との関係で、必要性や合理性の面から慎重に検討されるべきものと考える。

