答弁本文情報
令和七年十一月二十一日受領答弁第六〇号
内閣衆質二一九第六〇号
令和七年十一月二十一日
内閣総理大臣 高市早苗
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員阿部祐美子君提出医療研究や医薬品研究・開発における患者参画(PPI)に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員阿部祐美子君提出医療研究や医薬品研究・開発における患者参画(PPI)に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねのように「研究者・医療従事者への啓発や体系的な研修、実践のための体制構築を行う必要がある」と考えている。その上で、厚生科学審議会臨床研究部会が令和七年六月三十日に取りまとめた「治験・臨床試験の推進に関する今後の方向性について 二千二十五年版とりまとめ」(以下「取りまとめ」という。)において、「治験・臨床試験における患者・市民参画(PPI)の啓発・推進」の中で、「研究者側のPPIに対する理解も不十分であり、・・・研究者に対してPPIとは何かを啓発する方策が必要との指摘がある。・・・研究者側の意識を醸成する目的で、例えばAMEDにおいて作成した研究者向けの「患者・市民参画(PPI)ガイドブック」の更なる普及や、好取組事例の周知について必要な方法を検討する」とされたことを踏まえ、現在、当該ガイドブックの更なる普及を行っているほか、当該事例の周知についての検討を行っているところであり、また、取りまとめにおいては、「臨床研究中核病院は、すべての研究に従事する者へのPPIの理解を高める取組を行うべきである。また、臨床研究中核病院は、PPI活動に率先して取り組み、周辺病院の模範となるべきである」とされたことを踏まえ、現在、「臨床研究総合促進事業実施要綱」(令和七年四月一日付け産情発〇四〇一第四十五号厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官通知別添)に定める「臨床研究総合促進事業」により、「臨床研究中核病院」が「臨床研究・治験を実施する研究者等を含む他施設の臨床研究従事者等の養成を行う」「臨床研究・治験従事者等に対する研修プログラム」に係る補助を行っているところ、当該研修の「カリキュラム」の中に、御指摘の「PPI」に関する内容を追加することについて検討しているところである。
二について
御指摘のように「PPIを進めるには、患者側がパートナーとしての力量を高めること」が重要であり、そのためには、まずは、御指摘のように「患者側」への「研修の体系化やガイドライン作成」による支援が必要であると考えており、現時点で、「患者会の育成と強化、ならびにそのための支援」を検討しているものではないが、その上で、例えば、令和四年度から令和六年度までの厚生労働科学研究費補助金によるがん対策推進総合研究事業「がん研究に患者・市民参画を実現するための患者・市民に対する教育カリキュラム・プログラムの開発に関する研究」において、「患者・市民ががん研究に参画することを実現させるための効果的な教育方法の開発を目的として」、「自己学修を可能とするWebラーニングの作成」や「カリキュラムを用いた対面研修会」の「開催」等を実施したところであり、当該研究の成果も踏まえながら、引き続き、御指摘の「PPIを進める」ために必要な検討を行ってまいりたい。

