衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
令和七年十一月二十一日受領
答弁第六一号

  内閣衆質二一九第六一号
  令和七年十一月二十一日
内閣総理大臣 高市早苗

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員水沼秀幸君提出介護職による医療的ケア行為の範囲拡大に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員水沼秀幸君提出介護職による医療的ケア行為の範囲拡大に関する質問に対する答弁書


一及び二について

 お尋ねの「医療職と介護職の役割分担を再定義し、チームケアの実効性を高めること」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「喀痰吸引及び経管栄養に加え、(中略)社会福祉士及び介護福祉士法(昭和六十二年法律第三十号)及び関連政省令の見直しを行うべき」及び「違法性阻却の範囲を明文化・拡大する法改正(平成二十三年法律第七十二号による改正趣旨の更なる発展)」を行うべきとの趣旨のお尋ねとすれば、御指摘の「介護職員が行う医療的ケア」については、厚生労働大臣が参集を求めて開催していた、「喀痰吸引」等の安全性や技術等に関する専門的知見を有する有識者により構成される「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」が平成二十二年十二月十三日に取りまとめた「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方について 中間まとめ」において、「安全性の確保については、医学や医療の観点からはもちろん、利用者の視点や社会的な観点からも納得できる仕組みによるもの」とされ、また、例えば、平成二十六年四月二日の衆議院厚生労働委員会において、政府参考人が「こういった行為は、安全の確保というのが非常に重要でございますので、医療的なコントロールのもとで行われるというようなことで、教育研修をしっかりと受けていただいた介護職員が行うこと、それから医師、看護師などの医療関係者との連携をしっかりするといった安全確保措置を講じた上でこういうことをやっていただくというような形で整理させていただいている」と答弁しているとおり、御指摘の「見直し」及び「法改正」については、当該「安全性の確保」をはじめ、関係者との議論も行った上での慎重な検討が必要になると考えている。

三及び五について

 一及び二についてでお答えしたとおり、「介護職員が行う医療的ケア」に係る「見直し」については、慎重な検討が必要になると考えており、御指摘のように「枠組みを拡充し、」「研究機関」を「創設する」こと、また、御指摘の「法的地位」の意味するところが明らかではないが、「研修修了者」に係る法令改正や「登録制度・・・の在り方を見直す」こと、さらに、御指摘のように「医師・看護師及び家族の同意を前提として、介護職員が実施できる制度的枠組みを設け」ること、加えて、御指摘のように「検討会を設置し、・・・法制度設計」を行うことは、考えていない。
 また、御指摘の「気道内吸引」については、例えば、厚生労働省医政局長が参集を求めて開催していた、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の在宅療養患者に対する「喀痰吸引」を始めとする支援に関する専門的知見を有する有識者により構成される「看護師等によるALS患者の在宅療養支援に関する分科会」が平成十五年六月九日に取りまとめた「「看護師等によるALS患者の在宅療養支援に関する分科会」報告書」において、「気管カニューレ下端より肺側の気管内吸引については、迷走神経そうを刺激することにより、呼吸停止や心停止を引き起こす可能性があるなど、危険性が高い」とされていることを踏まえ、「社会福祉士及び介護福祉士法の一部を改正する法律の施行について(喀痰吸引等関係)」(平成二十三年十一月十一日付け社援発一一一一第一号厚生労働省社会・援護局長通知)において、「喀痰吸引等の対象者の日常生活を支える介護の一環として必要とされる医行為のみを医師の指示の下に行うものであり、安全性確保の観点から・・・咽頭の手前までを限度とすること」としているところであり、御指摘のように「「医師が発行する指示書」において、気道内吸引の際は利用者ごとに適した吸引圧と挿入深度を定め、迅速かつ安全に喀痰を吸引する旨を明記」するといった「指示書記載内容の見直し」は困難であると考えている。
 したがって、御指摘のように「このような制度整備に向けて・・・検討を進める」予定はない。

四について

 一及び二についてでお答えしたとおり、「介護職員が行う医療的ケア」に係る「見直し」については、慎重な検討が必要になると考えており、御指摘の「介護職員等に新たな医療的ケア業務を担わせること」については具体的に検討しておらず、このことを前提としたお尋ねにお答えすることは困難である。

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.