答弁本文情報
令和七年十一月二十一日受領答弁第六六号
内閣衆質二一九第六六号
令和七年十一月二十一日
内閣総理大臣 高市早苗
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員長友よしひろ君提出がん精密検査受診率向上に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員長友よしひろ君提出がん精密検査受診率向上に関する質問に対する答弁書
一の1について
市町村(特別区を含む。以下同じ。)が、「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(平成二十年三月三十一日付け健発第〇三三一〇五八号厚生労働省健康局長通知別添。以下「指針」という。)に基づき実施する市町村がん検診(健康増進法(平成十四年法律第百三号)第十九条の二の規定に基づき実施する健康増進法施行規則(平成十五年厚生労働省令第八十六号)第四条の二第六号に掲げるがん検診をいう。以下同じ。)の対象である@胃がん、A肺がん、B大腸がん、C子宮頸がん及びD乳がんについて、厚生労働省において集計した直近の令和四年度の御指摘の「精密検査受診率」を、全国及び都道府県別にお示しすると、次のとおりである。
全国 @八十五・二パーセント A八十二・四パーセント B七十・四パーセント C七十七・九パーセント D八十九・五パーセント
北海道 @七十・四パーセント A七十三・五パーセント B六十一・七パーセント C五十五・六パーセント D八十二・三パーセント
青森県 @七十七・一パーセント A八十八・三パーセント B七十一・七パーセント C八十三・四パーセント D九十二・三パーセント
岩手県 @八十四・四パーセント A八十九・五パーセント B七十六・八パーセント C九十一・七パーセント D九十五・一パーセント
宮城県 @九十一・六パーセント A七十六・二パーセント B八十三・〇パーセント C九十四・六パーセント D九十七・二パーセント
秋田県 @八十五・七パーセント A八十八・一パーセント B七十二・七パーセント C九十・〇パーセント D九十三・二パーセント
山形県 @八十・三パーセント A八十四・一パーセント B七十五・二パーセント C八十四・四パーセント D九十二・一パーセント
福島県 @八十六・三パーセント A八十二・二パーセント B七十四・三パーセント C八十一・三パーセント D九十二・六パーセント
茨城県 @八十四・五パーセント A八十四・二パーセント B七十四・〇パーセント C八十七・八パーセント D八十八・九パーセント
栃木県 @七十九・四パーセント A八十四・四パーセント B六十六・二パーセント C八十七・五パーセント D九十二・六パーセント
群馬県 @九十二・八パーセント A九十三・八パーセント B七十九・二パーセント C九十・九パーセント D九十五・三パーセント
埼玉県 @八十八・七パーセント A八十六・五パーセント B七十一・〇パーセント C六十五・三パーセント D八十八・八パーセント
千葉県 @九十一・二パーセント A八十五・七パーセント B七十二・四パーセント C七十七・九パーセント D九十二・二パーセント
東京都 @七十七・九パーセント A六十九・九パーセント B六十一・八パーセント C七十七・七パーセント D八十七・七パーセント
神奈川県 @九十・二パーセント A八十・五パーセント B六十三・九パーセント C六十六・一パーセント D八十七・六パーセント
新潟県 @八十九・〇パーセント A八十八・〇パーセント B八十一・二パーセント C八十七・二パーセント D九十五・四パーセント
富山県 @九十二・七パーセント A九十・七パーセント B七十九・一パーセント C八十二・四パーセント D九十一・二パーセント
石川県 @九十一・五パーセント A八十六・二パーセント B七十五・九パーセント C八十九・三パーセント D九十三・三パーセント
福井県 @八十三・〇パーセント A七十四・六パーセント B七十一・三パーセント C八十一・四パーセント D九十三・四パーセント
山梨県 @七十五・六パーセント A八十二・五パーセント B六十七・四パーセント C八十六・四パーセント D九十・〇パーセント
長野県 @八十二・六パーセント A八十四・五パーセント B七十一・九パーセント C八十四・四パーセント D八十四・五パーセント
岐阜県 @八十六・四パーセント A九十一・三パーセント B七十三・六パーセント C八十七・三パーセント D九十三・〇パーセント
静岡県 @七十四・七パーセント A八十三・二パーセント B六十四・七パーセント C七十六・三パーセント D八十七・一パーセント
愛知県 @八十三・四パーセント A八十三・二パーセント B七十・八パーセント C七十一・四パーセント D八十八・九パーセント
三重県 @八十三・四パーセント A八十二・二パーセント B六十五・七パーセント C七十九・六パーセント D五十六・〇パーセント
滋賀県 @九十五・七パーセント A九十五・七パーセント B八十七・三パーセント C九十五・三パーセント D九十七・八パーセント
京都府 @八十五・七パーセント A八十七・九パーセント B七十二・二パーセント C八十四・二パーセント D九十四・五パーセント
大阪府 @九十二・一パーセント A八十七・三パーセント B七十三・八パーセント C八十五・一パーセント D九十四・三パーセント
兵庫県 @七十九・六パーセント A八十二・二パーセント B六十七・二パーセント C八十一・八パーセント D八十二・四パーセント
奈良県 @九十三・八パーセント A九十四・〇パーセント B七十八・〇パーセント C八十八・四パーセント D九十六・〇パーセント
和歌山県 @九十二・九パーセント A七十八・四パーセント B六十八・七パーセント C八十六・〇パーセント D九十・八パーセント
鳥取県 @九十三・一パーセント A八十九・〇パーセント B七十七・一パーセント C八十四・七パーセント D九十六・〇パーセント
島根県 @八十・三パーセント A九十・二パーセント B六十五・九パーセント C七十七・〇パーセント D九十三・九パーセント
岡山県 @八十・五パーセント A七十五・九パーセント B七十一・七パーセント C八十四・四パーセント D九十二・三パーセント
広島県 @八十九・四パーセント A七十六・九パーセント B七十・四パーセント C七十三・〇パーセント D九十・二パーセント
山口県 @九十五・四パーセント A九十・七パーセント B七十七・七パーセント C八十・六パーセント D九十二・八パーセント
徳島県 @八十七・九パーセント A八十八・五パーセント B七十八・一パーセント C八十四・八パーセント D九十三・六パーセント
香川県 @九十・三パーセント A八十九・七パーセント B七十九・八パーセント C八十九・九パーセント D九十六・六パーセント
愛媛県 @八十九・五パーセント A八十五・四パーセント B七十六・〇パーセント C八十一・〇パーセント D九十三・八パーセント
高知県 @九十・四パーセント A九十・九パーセント B八十二・三パーセント C七十八・八パーセント D九十二・八パーセント
福岡県 @八十九・八パーセント A八十八・三パーセント B七十四・〇パーセント C八十二・五パーセント D九十四・八パーセント
佐賀県 @八十七・一パーセント A八十一・九パーセント B七十五・一パーセント C八十二・八パーセント D九十三・二パーセント
長崎県 @九十三・一パーセント A九十一・五パーセント B七十二・七パーセント C八十二・三パーセント D八十七・七パーセント
熊本県 @八十・七パーセント A七十四・八パーセント B七十六・一パーセント C八十七・九パーセント D九十二・〇パーセント
大分県 @八十八・三パーセント A八十二・四パーセント B七十四・九パーセント C八十一・八パーセント D八十九・八パーセント
宮崎県 @八十四・八パーセント A八十三・九パーセント B七十・八パーセント C七十九・〇パーセント D九十三・一パーセント
鹿児島県 @八十九・五パーセント A九十三・〇パーセント B七十八・七パーセント C九十・六パーセント D九十三・八パーセント
沖縄県 @五十四・八パーセント A五十五・六パーセント B五十一・五パーセント C六十三・八パーセント D七十二・六パーセント
一の2について
お尋ねについては、例えば、市町村間での「分析」として、厚生労働省健康局長(当時)が参集を求めて開催していた、有識者等により構成される「がん検診受診率等に関するワーキンググループ」の平成二十八年六月十四日に開催の第一回の会議において、国立研究開発法人国立がん研究センターから、「精検受診率の地域差を見ますと、大規模都市、例えば政令指定都市や特別区というのは極めて精検受診率が低く、未把握率が高い状況になっています。・・・大都市では個別検診の実施割合が多いということも、こうした精検受診率の低さに影響していると考えます」と報告されていることは承知している。
二の1について
御指摘の「主な理由」について網羅的に把握していないが、お尋ねの「分析結果」の一例として、国立研究開発法人国立がん研究センターが平成三十年に発行した「自治体担当者のためのがん検診精度管理マニュアル第二版」において、「ある自治体で大腸がん検診の精検について意識調査を行った結果、精検を受診しない理由として最も多かったのが「検査の準備が大変」(八十二・九パーセント)、「検査は痛みを伴いそうで不快」(七十一・四パーセント)」等とされているものと承知している。
二の2について
御指摘の「自治体・医師会・医療機関との連携体制における課題」の意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、「自治体」と「医療機関」の連携に当たっての「課題」としては、「自治体」が、「医療機関」が行う事業主等が任意で実施する職域におけるがん検診の結果の情報を十分に取得できず、活用できていないことがあるところ、その対応として、例えば、令和七年七月一日に改正した指針において、「市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、当該市町村の区域内に居住地を有する者の職域等がん検診・・・の受診状況(以下「職域等がん検診情報」という。)を把握し、職域等がん検診情報も踏まえた適切な受診勧奨及び精密検査勧奨に努めること」と定めたところである。
三の1について
御指摘の「がん検診」の「受診率向上」及び「精密検査」の「受診率向上」はがん検診に係る取組として一体的に行われることを想定して予算措置を講じており、これらのような内訳はないため、「それぞれ」示すことは困難であるが、令和七年度当初予算においては、「がん検診及び精密検査受診率向上」のため、約十五・四億円を措置している。
三の2について
お尋ねの「自治体が独自に行う・・・通知強化、デジタル連携など」の具体的に意味するところが明らかではないが、「自治体が独自に行う受診勧奨」については、「国庫補助」による「支援拡充」について、今後検討していく予定である。また、御指摘の「特に受診率の低い地域」のみに対する「重点的支援策」ではないが、今後、当該地域も含め、「自治体」において、がんの精密検査の必要性等について、住民に対して分かりやすく説明するための資材の開発、導入等を行うことを検討している。
四の1について
お尋ねの「自治体DXを活用した仕組み」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「がん検診の結果管理」については、市町村がん検診について、「医療DXの推進に関する工程表」(令和五年六月二日医療DX推進本部決定)において、「自治体検診情報・・・に関する情報を連携させる仕組みを構築することにより、医療機関・薬局等と自治体の間で必要な情報を共有可能にする」こととしており、電子的な方法により市町村が検診結果の情報を管理するほか、お尋ねの「マイナポータル」を通じて受診対象者へ受診勧奨を行うといったデジタル技術を活用した「仕組み」の「整備」を予定しており、令和七年度においては、「自治体検診DX推進モデル事業」により、受診対象者への受診案内、受診券の送付、検診結果の管理等について、デジタル技術を活用したモデル事業を行うこととしている。また、御指摘の「精密検査勧奨、受診フォローアップ」については、「結果管理」における「整備」の状況等も踏まえながら、必要な検討をしてまいりたい。
四の2について
御指摘の「AI・ビッグデータ解析」及び「科学的アプローチ」の意味するところが明らかではないが、いずれにせよ、「精密検査未受診者」の「解析」に当たり「AIの活用」については、現時点では検討していない。
五の1について
御指摘の「ロードマップ」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねの「がん精密検査受診率」の「目標」については、「がん対策推進基本計画」(令和五年三月二十八日閣議決定。以下「基本計画」という。)において、「精密検査受診率九十パーセントを目指す」ことを「個別目標」として定め、「実行期間は、令和五(二千二十三)年度から令和十(二千二十八)年度までの六年を目安とする」こととしている。
五の2について
がん対策基本法(平成十八年法律第九十八号)における御指摘の「「精密検査受診率向上」項目の見直し及び強化」の意味するところが必ずしも明らかではないが、現行の基本計画については、令和五年度から令和十年度までを計画期間としているところ、当該項目の見直しを含め、御指摘の「次期がん対策推進基本計画」の策定の検討に当たっては、同法第十条第四項の規定に基づき同法第二十四条に規定するがん対策推進協議会において議論が行われることとなるが、現時点で当該見直しに向けた議論や検討は行っていない。

