答弁本文情報
令和七年十一月二十五日受領答弁第七三号
内閣衆質二一九第七三号
令和七年十一月二十五日
内閣総理大臣 高市早苗
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員松尾明弘君提出「責任ある積極財政」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員松尾明弘君提出「責任ある積極財政」に関する質問に対する答弁書
一について
令和七年十一月五日の衆議院本会議において、高市内閣総理大臣が「責任ある積極財政についてお尋ねがございました。この内閣では、経済あっての財政の考え方の下、強い経済を構築するため、戦略的に財政出動を行います。これにより、所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がり、税率をあげずとも税収を増加させることを目指していきます。この好循環を実現することによって、国民の皆様に景気回復の果実を実感していただき、不安を希望に変えてまいります」と答弁しているところ、経済財政運営の方針は今後具体化していく予定であり、お尋ねの「どの程度の経済成長を見込んでいるのか」及び「具体的な数値目標や見通し」については、現時点でお示しすることは困難である。
二について
お尋ねの「構造的な問題」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「財政出動によって所得格差が一層拡大する」か否かについては、経済動向など、様々な要因が影響すると考えられることから、お尋ねの「政府の認識」について一概にお答えすることは困難である。お尋ねの「政策」については、「是正するための政策」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和七年十一月十四日の参議院予算委員会において、高市内閣総理大臣が「この内閣が最優先で取り組むことは、国民の皆様が直面している物価高への対応でございます。ですから、物価上昇を上回る賃上げが必要だということを考えております」と答弁し、また、同月十二日の同委員会において、同内閣総理大臣が「足下の物価高対策については、もう早期に効果が見込まれる施策として、一人二万円から四万円の所得税減税、それから年末のいわゆるガソリン税の暫定税率、これ軽油引取税も暫定税率の廃止、お認めいただきましたけれども、それまでの間は今の基金を活用した補助、これ、いよいよ今週、あしたから安くなっていきますね。こういったことを始めていく、さらに、実際に暫定税率が廃止される」、「賃金上昇、これを実現するために、重点支援地方交付金を活用した中小企業・小規模事業者を始めとする賃上げ環境の整備、それから価格転嫁対策、これ徹底します」等と答弁したとおりである。お尋ねの「達成見通し」は定めていないが、それぞれの政策の目標の達成に向けて、万全を期していくこととしている。
三について
お尋ねの「金利上昇局面を見据えた財政運営のリスク管理」については、令和七年十一月六日の参議院本会議において、高市内閣総理大臣が「この内閣におきましては、責任ある積極財政の考え方の下、戦略的に財政出動を行い、強い経済を構築し、経済成長率を高めるとともに、中期的に債務残高対GDP比の引下げを安定的に実現する中で、必要に応じてプライマリーバランスの目標年度についても再確認を行うということにより、強い経済の実現と財政健全化を両立してまいります。こうした道筋を通じ、金利動向にも留意しつつ、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保してまいります」と答弁したとおりである。

