答弁本文情報
令和七年十二月五日受領答弁第八八号
内閣衆質二一九第八八号
令和七年十二月五日
内閣総理大臣 高市早苗
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員上村英明君提出戦没者等の遺族に対する特別弔慰金等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員上村英明君提出戦没者等の遺族に対する特別弔慰金等に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「死因」については、「戸籍」には記載されていない。
また、御指摘の「諸届」は、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第八十六条第一項の規定に基づく死亡の届出と解すれば、当該届出をする際には、同条第二項の規定により、「届書」には、「死亡の年月日時分及び場所」等を記載するとともに、診断書又は検案書を添付しなければならないとされ、当該診断書又は検案書については、医師法施行規則(昭和二十三年厚生省令第四十七号)第二十条第一項の規定により、「死因」等について記載することとされているところ、お尋ねの時期のものについては、政府として当該記載の内容を把握しておらず、また、調査することは膨大な作業を要することなどから困難である。
二について
「国はどのような形で追悼の意を具体的に表してきたか。また、追悼の意はどのような文言で表されてきたか」とのお尋ねについては、例えば、政府においては、御指摘の「空襲の犠牲となった多数の民間人(中略)など」も含め、今次の大戦における全戦没者に対し、国を挙げて追悼の誠をささげるため、毎年八月十五日に政府主催により全国戦没者追悼式を実施し、その時々の内閣総理大臣から、御指摘の「追悼の意」を表してきているところであり、直近では、令和七年八月十五日に実施された令和七年全国戦没者追悼式において、石破内閣総理大臣(当時)が「祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いながら、戦場に斃れた方々。広島と長崎での原爆投下、各都市への空襲並びに艦砲射撃、沖縄での地上戦などにより犠牲となられた方々。戦後、遠い異郷の地で亡くなられた方々。今、すべての御霊の御前にあって、御霊安かれと、心より、お祈り申し上げます」と式辞において述べているとおりである。
また、「それらの追悼の意は、犠牲者・遺族に充分届いていると考えているか」とのお尋ねについては、「充分届いている」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではなく、また、「犠牲者・遺族」の事情等は様々であると考えられることから、一概にお答えすることは差し控えたいが、「追悼の意」を表することは重要であると考えており、例えば、「追悼の意」を表する全国戦没者追悼式への「犠牲者・遺族」の参列の機会を確保するため、昭和五十二年から、毎年、都道府県ごとに選出される一般戦災死没者(今次の大戦による本邦における空襲その他の災害のため死亡した者をいう。)の遺族の代表に対し、全国戦没者追悼式に参列するための旅費を支給するなどの取組を行っているところである。
三について
御指摘の「元軍人・軍属に支給された恩給の総額と支給された元軍人・軍属の総数」について、令和二年度から令和六年度までの過去五年間の期間のものについては、先の答弁書(令和七年五月十六日内閣衆質二一七第一七三号)二の5についてで、それぞれ、元軍人・軍属(恩給法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百五十五号)附則第十条第一項に規定する旧軍人、旧準軍人及び旧軍属をいう。以下同じ。)に「支給された恩給の総額」は約二百億円、当該恩給を「支給された元軍人・軍属の総数」は延べ約九万人とお答えしたところ、これは、総務省が恩給の支給事務において用いている情報システムにおいて保存されているデータを基に元軍人・軍属を特定し、算出してお示しすることができる期間として、当該データの行政文書としての保存期間である過去五年間の期間のものについてお答えしたものであり、それ以前の期間については、関連するデータの保存期間が満了しているもの等があるため、元軍人・軍属を特定し、お尋ねの「昭和二十八年度から令和六年度まで」の期間のものをお答えすることは困難である。
なお、「昭和二十八年度から令和六年度まで」の期間の毎年度の決算によれば、恩給法(大正十二年法律第四十八号)等に基づき、元軍人・軍属を含む全ての受給者に対して「支給された恩給の総額」は約五十六兆七千億円であるが、「支給された」全ての受給者の「総数」は、関連するデータの保存期間が満了しているもの等があるため、お示しすることは困難である。

