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令和七年十二月五日受領
答弁第八九号

  内閣衆質二一九第八九号
  令和七年十二月五日
内閣総理大臣 高市早苗

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員長友よしひろ君提出後発医薬品の品質及び先発医薬品の薬価見直しに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長友よしひろ君提出後発医薬品の品質及び先発医薬品の薬価見直しに関する質問に対する答弁書


一について

 御指摘の「制度」の「検討」は、令和七年十一月六日に開催された第二百二回社会保障審議会医療保険部会の資料一−二「薬剤給付の在り方について−長期収載品・先行バイオ医薬品・OTC類似薬−」における「長期収載品の選定療養の更なる活用に係る論点」及び同月十四日に開催された第六百二十七回中央社会保険医療協議会の資料総−四「個別事項について(その七)長期収載品の選定療養@」における「長期収載品の選定療養についての論点」として、「長期収載品と後発医薬品の価格差の四分の一相当を患者負担としているが、この水準を価格差の二分の一、四分の三又は一分の一に引き上げることについて、どのように考えるか」と示し、検討していることと理解した上で、お尋ねの「検討状況、目的」については、これらの資料において、「先発品企業は後発品上市後には市場から撤退し、後発品企業に安定供給等の役割を譲るという医薬品のライフサイクルの目指すべき姿」及び「医療保険制度の持続可能性の確保や、現役世代の保険料負担を含む国民負担の軽減」といった観点を踏まえ、「創薬イノベーション」の推進や後発医薬品の更なる使用促進に向けて検討する旨示し、現在、同部会及び同協議会において検討しているところであり、お尋ねの「導入時期の見通し」については、現時点でお答えする段階にない。

二について

 お尋ねについては、令和七年十一月十九日に開催された第二百四十一回中央社会保険医療協議会薬価専門部会の資料薬−一「令和八年度薬価改定についてD」における「新薬のライフサイクルと薬価に係る論点」において、「イノベーションの推進に向けて、長期収載品に依存するビジネスモデルからの脱却を促進する観点から、安定供給にも配慮した上で、長期収載品の薬価の更なる適正化を行うことについてどう考えるか」としているとおり、令和八年度薬価改定に向けて、先発医薬品のうち「長期収載品」の薬価の更なる適正化として、現在、同協議会において検討しているところであり、当該検討を踏まえて、適切に対応してまいりたい。

三について

 お尋ねの「十分に裏付けている」及び「その検証方法及び把握状況」の意味するところが必ずしも明らかではないが、厚生労働省ホームページに掲載している「ジェネリック医薬品への疑問に答えます〜ジェネリック医薬品Q&A〜」において、「先発医薬品と同じ有効成分を同一量含有するジェネリック医薬品が、先発医薬品と同様の血中濃度推移を示すことが確認できれば、医薬品としての作用の強さや影響は同じということになり、治療効果すなわちヒトにとっての有効性や安全性は、先発医薬品と同等であると判断することができます。この判断を行うための試験が、生物学的同等性試験です・・・こうした考え方は日本だけのものではなく、米国や欧州の各国でも同様であり・・・、最新の科学的知見に基づく世界標準の考え方です」と示しているとおりであり、「生物学的同等性試験」により、「有効性や安全性」が、「先発医薬品と同等であると判断する」ことができるのであれば、お尋ねの「臨床効果」や当該「安全性」の要素であるお尋ねの「副作用発生率」についても、「先発医薬品と同等であると判断する」ことができるものと考えている。

四について

 お尋ねの「後発医薬品の品質確保」に向けた施策については、これまでも、例えば、「医薬品の製造業者におけるGMP省令違反等を踏まえた無通告立入検査の徹底強化等について」(令和三年二月九日付け薬生監麻発〇二〇九第一号厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知)により、都道府県に対して、「医薬品の適切な品質と安全性を確保するため」、医薬品の製造販売業者(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号。以下「医薬品医療機器等法」という。)第十二条第一項の規定に基づく医薬品の製造販売業の許可を受けた者をいう。以下同じ。)、製造業者(医薬品医療機器等法第十三条第一項の規定に基づく医薬品の製造業の許可を受けた者又は医薬品医療機器等法第十三条の二の二第一項の規定に基づく医薬品の保管のみを行う製造所に係る登録を受けた者をいう。以下同じ。)等に対し、「立入検査を徹底強化するとともに、・・・法令遵守体制及び製造管理体制の整備の徹底強化について周知、指導」を行うよう依頼する等してきたところであるが、さらに、医薬品の製造販売業者及び製造業者における法令遵守の体制の強化を図るため、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律(令和七年法律第三十七号。以下「医薬品医療機器等法等改正法」という。)による改正後の医薬品医療機器等法(以下「改正後医薬品医療機器等法」という。)第十七条第六項において「医薬品の製造販売業者は、・・・医薬品総括製造販売責任者の監督の下に、医薬品の品質保証の統括を行う者・・・を置かなければならない」と、改正後医薬品医療機器等法第七十二条の八において「厚生労働大臣は、医薬品・・・の製造販売業者又は製造業者について、この法律その他薬事に関する法令で政令で定めるもの若しくはこれに基づく処分に違反する行為があつた場合(中略)において、その薬事に関する業務に責任を有する役員を変更しなければ、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するために必要な業務の運営の改善が見込まれないと認めるときは、その製造販売業者又は製造業者に対して、その薬事に関する業務に責任を有する役員の変更を命ずることができる」と定めたところであり、現在、医薬品医療機器等法等改正法の公布の日(令和七年五月二十一日)から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日の施行に向けた必要な準備を進めているところである。
 また、お尋ねの「信頼回復」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「後発医薬品」の「供給体制」の安定化に向けた施策については、これまでも、例えば、令和六年度補正予算により、「令和六年度医薬品安定供給支援補助金(医薬品安定供給体制緊急整備事業)交付要綱」(令和七年三月七日付け厚生労働省発産情〇三〇七第一号厚生労働事務次官通知別紙)に基づく「医薬品安定供給体制緊急整備事業」を実施し、「大規模な供給不安に対して医療上の必要性の高い医薬品の増産等に必要な人件費及び設備整備の補助」を行ってきたところであり、令和七年度補正予算案において、引き続き同様の事業を行うために必要な経費を計上したところである。さらに、厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官が参集を求めて開催していた、後発医薬品に係る実務や薬事制度等に関する専門的知見を有する有識者により構成される「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」が令和六年五月二十二日に取りまとめた報告書において、「各企業において、企業間の品目統合やそれに伴う各企業での品目削除により少量多品目生産を適正化し、品目ごとの生産能力や生産規模を増大させ、採算がとれる生産体制を構築する必要がある。(中略)様々な形で企業間の連携・協力を進める検討が活発化しており、業界再編が行われる機運を高めていく必要がある」とされ、「企業間の連携・協力の取組の促進策」として、「事前の調査・分析、生産性向上のための設備の導入や老朽化した設備の改修、製造・情報管理システムの統合、品目・製造方法の統合後の薬事手続のための試験等様々な費用が生じることが想定される。・・・金融・財政措置等様々な面から政府が企業の取組を後押しする方策を検討していくべきである」等とされたことを踏まえ、当該「政府が企業の取組を後押しする方策」として、医薬品医療機器等法等改正法による改正後の国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所法(平成十六年法律第百三十五号。以下「改正後医療基盤健康栄養研究所法」という。)附則第十七条第二項第一号において、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(以下「研究所」という。)は、当該企業の「費用」に関し「必要な資金の交付」を行う旨定めるとともに、改正後医療基盤健康栄養研究所法附則第二十七条第一項において、当該「必要な資金の交付」に要する費用に充てるための「後発医薬品製造基盤整備基金」を設置することができる旨、また、同条第二項において、政府は、研究所に対し、当該「後発医薬品製造基盤整備基金」に充てる資金を補助することができる旨定めた上で、令和七年度補正予算案において、必要な予算を計上したところである。こうした施策を通じて医薬品の安定的な供給の確保に取り組んでまいりたい。

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