答弁本文情報
令和八年十月二十七日受領答弁第一二号
内閣衆質二二二第一二号
令和八年十月二十七日
内閣総理大臣 高市早苗
衆議院議長 森 英介 殿
衆議院議員田村智子君外三名提出政府提出の「消費税・支援金法案」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員田村智子君外三名提出政府提出の「消費税・支援金法案」に関する質問に対する答弁書
一について
前段のお尋ねについては、今般の飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げは、就業者負担軽減支援金の令和十一年度の本格導入までのつなぎとして行うものであり、また、令和八年十月十四日の衆議院予算委員会において、高市内閣総理大臣が「今回、社会保障国民会議に参加していただいた各党の間でも、消費税が貴重な社会保障財源であって活用されているということは、共通認識で財政の持続可能性を実現して市場の信頼を確保していく観点からも、二年後には確実に税率を戻す」と答弁しているとおりである。
後段のお尋ねについては、飲食料品を含む物品に係るコストや需要の変化といった様々な要素によって影響を受けるため、政府として、確たることをお答えすることは困難である。
二について
今般の飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げについては、令和八年十月十四日の衆議院予算委員会において、高市内閣総理大臣が「時限的に行うものですから、税率を元に戻すことを持って負担増になるとの考え方はそもそも馴染まないと思って」いると答弁しているとおりである。その上で、同月八日の参議院本会議において、同内閣総理大臣が「二年後の令和十一年度に飲食料品の消費税率を元の税率に戻す際には、あわせて本格導入される就業者負担軽減支援金により、中所得・低所得の現役勤労者は所得に応じ、これまでより一層手取りが増えるようになり、支援金の対象者の大宗は、飲食料品の消費税率引下げの効果を上回る支援を受けられます。また、本格導入される支援金は、これまでの消費税率引上げの時には講じられることのなかった中所得・低所得の勤労者の方に対する初めての恒久的な負担軽減であります。飲食料品の消費税率を元の税率に戻す際のマクロ経済的なインパクトも相当程度緩和される」及び「社会保障国民会議でもご議論いただいたように、就労意欲のある低所得の方や就労していない高齢者の方などについて、支援金と既存の社会保障制度の双方から取り残される方が生じないよう、全体として必要な支援が適切に行き届くようにしていくこととしており、法案の国会でのご審議も踏まえながら、政府として対応を検討してまいります。」と答弁しているとおりである。
三について
就業者負担軽減支援金の支給要件や支援額については、今国会に提出している租税及び社会保険料による負担の軽減のための飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の支給に関する法律案(以下「本法律案」という。)において、税制及び社会保険制度の状況、我が国及び諸外国の純負担率及び純負担額の状況等を考慮して政令で定めることとしており、お尋ねについては、令和八年十月九日の参議院本会議において、高市内閣総理大臣が「支援金の具体的な支給要件等は、法案審議における御議論や恒久財源の確保状況、所得等に応じた対象者数の推計などを踏まえて、支給開始に間に合うよう政令で定めることとしております。」と答弁しているとおりであり、現時点でお答えすることは困難である。
四について
御指摘の「その論理」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねの「二年後の支援金の総額」については、令和八年十月十三日の衆議院予算委員会において、高市内閣総理大臣が「具体的な支給対象者の範囲、支援額を検討していく中で決まっていくものでございます。」と答弁しているとおりであり、お尋ねのような「二年後の支援金の総額は食料品消費税率八%分に相当するとの考え」ではない。
五について
御指摘の「消費税率一%相当分を「就業者負担軽減支援金」として配分する」ことについての政府の考え方は、令和八年十月九日の参議院本会議において、高市内閣総理大臣が「法案においては、飲食料品の消費税率については、一パーセントであれば、零パーセントとするよりも事業者のシステム改修の期間が短縮でき、令和九年四月から実施可能なこと、現時点で公的機関が保有する所得情報等を活用することで支援金でも令和九年度から先行的導入が可能なことを踏まえまして、税率の一パーセントへの引下げと、中所得、低所得の方の負担を集中的に軽減できる支援金の飲食料品の消費税一パーセント相当分の範囲での先行的導入を併せて行うこととしました。その後、令和十一年四月から支援金を本格導入することと併せて、飲食料品の消費税率を元の税率に戻すこととしております。これは、支援の在り方として、支援の十分性と迅速性の観点から最善の方法であると考えております。」と答弁しているとおりであり、令和九年度及び令和十年度においてお尋ねの「対象外の人たち」に対する「消費税率一%相当分の支援」を行うことは検討していない。
六について
「総計で何人になると想定しているか」とのお尋ねについては、三についてでお答えしたとおり、就業者負担軽減支援金の「具体的な支給要件等は、法案審議における御議論や恒久財源の確保状況、所得等に応じた対象者数の推計などを踏まえて、支給開始に間に合うよう政令で定める」こととしていることから、現時点でお答えすることは困難である。
「「就業者負担軽減支援金」の対象者と同額の支援措置を検討しているのか」とのお尋ねについては、御指摘の「この支援金の対象外となる低所得者等」に関し本法律案第三十六条第四項において「政府は、低所得の就業者及び疾病又は障害その他の事情により就業が困難である者のうち就業者負担軽減支援金に係る制度の対象とならないものに対する必要な措置の在り方について、生活困窮者の自立支援に関する制度、障害者の福祉に関する制度その他の既存の社会保障制度との関係を整理しつつ、給付並びに相談支援及び就業支援を一体的に実施することを含め、その実施に要する財源の確保と併せて検討」を行うこととし、及び同条第五項において「政府は、就業していない高齢者等が就業者負担軽減支援金に係る制度及び既存の社会保障制度の双方から取り残されることのないよう、年金制度及び生活保護制度その他の既存の社会保障制度との関係を整理しつつ、必要な措置の在り方について検討」を行うこととしているとおり、今後、適切に検討してまいりたい。
七について
お尋ねの「本法案で措置される農家に対する給付制度」について、本法律案においては、御指摘の「農家」に対する給付に関する規定は設けていないが、「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」(令和八年九月十五日閣議決定。以下「大綱」という。)においては、「特に本則課税に移行することが困難な簡易課税事業者・免税事業者である農林漁業者については、第一次産品の生産・販売を担う特殊性に鑑み、売上げから回収できない仕入税額が大きくなることで経営継続が困難とならないよう、個別の売上高を踏まえた金額を給付する仕組みを導入する」こととしているところである。「損失額はすべて補填されるのか」とのお尋ねについては、「損失額」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではなく、また、大綱に基づき導入することとしている「給付する仕組み」の具体的な内容は今後の予算編成過程において検討することとしていることから、お答えすることは困難である。
また、当該「給付する仕組み」における申請方法についても、大綱において「事業者の実情を確認しつつ、予算編成過程において支援内容を具体化する」こととしているため、「申請書類の準備などで農家に過大な負担が課されないか」とのお尋ねについて、現時点でお答えすることは困難である。
八について
お尋ねの「給付金」及び「影響が及ばないような支援」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、外食事業者への支援については、大綱において「外食と中食・内食の税率差による影響の及ぶ業態などを見極めた上で、的確な支援を講ずる」としているとおり、税率差による影響が個々の事業者の業態や事業環境により異なるため、事業者の実情を確認しつつ、実際に影響を受ける事業者への的確な支援を講ずることが重要であると考えている。そのため、大綱において「関係府省庁が連携し、事業者の実情を確認しつつ、予算編成過程において支援内容を具体化する」こととしているところであり、外食事業者への支援について、今後の予算編成過程において検討し、飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げの時期までにお示しすることができると考えている。
九について
御指摘の「責任ある積極財政」については、令和八年二月二十四日の衆議院本会議において、高市内閣総理大臣が「高市内閣の責任ある積極財政は、財政の持続可能性に十分配慮した財政政策であり、マーケットからの信認を損なう野方図な財政政策を取るわけではありません。実際に、令和八年度予算でも、責任ある積極財政の考え方の下、投資すべき分野に大胆に投資するなど、強い経済の実現に取り組むとともに、予算全体のめり張りづけを行いつつ、・・・財政の持続可能性に十分配慮しました。今後とも、・・・政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくことにより、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していきます。」と答弁しているとおりであり、御指摘のように「湯水のように財政を投じる」ものではない。その上で、お尋ねの「円安リスク」の意味するところが必ずしも明らかではないが、為替レートは、様々な要因を背景に市場において決まるものであり、特定の事項が為替相場に与える影響についてお答えすることは困難である。いずれにせよ、お尋ねについては、同年三月十三日の衆議院予算委員会において、同内閣総理大臣が「高市内閣においては、責任ある積極財政の考え方の下、経済安全保障、また食料安全保障などの様々なリスクを最小化する危機管理投資、また、AI、半導体、造船などの先端技術を花開かせる成長投資により、世界共通の課題解決に資する製品、サービス、インフラ、こういったものを開発し、国内外に提供することとしております。経済財政運営は為替の誘導を目的に行うものではございませんが、こうした取組を通じて、委員御指摘の生産力の強化や日本経済の国際競争力を高めてファンダメンタルズを強化していくということが、結果として円の信認を保つことにもつながっていくと考えます。」と答弁しているとおりである。
十について
飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げの財源については、大綱において「市場の信認を得られるよう、特例公債に頼らず、・・・令和九年度の予算編成過程において行う予算編成改革の具体化の状況を踏まえて結論を得る」こととしている。

