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昭和二十四年四月一日提出
質問第三号

 農業者の所得税の合理化に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和二十四年四月二日

提出者  床次(注)二

          衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿




農業者の所得税の合理化に関する質問主意書


 徴税の促進と強化は現下喫緊の要務であるが、その効果を徹底せしめるためには課税の適正公平と徴税の合理化が必要である。特に近時の所得税の重圧は、國民生活にも産業面にも著しい窮迫を加えているので、税制の根本的改正を行い、國民の充分諒解でき得る課税と徴税とを行われたいのであるが、現状はかかる根本的改正の行われるのを空しく待望していられる余裕はないのである。故に差し当り現行の所得税法の実施に関して、はなはだしい負担上の不公平と認められる点を是正し、現在の納税を促進するとともに今後の納税にも寄與することが必要と認められる。
 政府は左記の諸点に関し如何なる意見を有するか、その所見を伺いたい。

一、現在の農家に対する所得税の課税状況は
  地帶別に見ると山村に重く、純農村これに次ぎ、都市近郊が軽く、経営別には零細農に過重であり、経営組織別には蔬菜作、普通畑作に重く、米麦作がこれにつぎ、果樹等は比較的軽いといわれるが、果してかかる事実があるか、もしありとせばこれを是正する考はないか。
二、昭和二十二年度所得に対する所得税は、全國的に税務署の更正が農家の申告を約三〇%から四〇%、はなはだしきは七〇%も上廻つており、しかも税務署財務局の間にも色々差異があるが、
 (1) かかる超過査定は農業所得以外の所得の査定に比して不公平を生じてはおらぬか。
 (2) 各税務署財務局間に相当の差異があることにより、地方的に負担の不公平を生じてはおらぬか。
三、農業所得の申告と査定にあたつて、反当所得標準の收入と経費の算出にあたつて、年度により價格の変動があり、且つ收入の年度が異るにもかかわらず、これを無視して收入が過大に評價せられていることは不合理と考えるが、これを是正する考はないか。
 (註) 藁に関しては年度による價格の変動を考慮しているが、自家用米、供出米についてはその考慮が拂われておらぬので所得が過大に算出される。
四、わが國の農業が家族労作経営で、その所得は、形は事業所得であるが、実質は勤労所得である。從つて現在勤労所得について認められている勤労控除を農業所得にも認め、仮りに同一世帶内で二人の農業從事者があれば、二つの基礎控除を行うべきではないかと考えられるが、右に関する考はどうか。
五、現在の所得税は申告制度になつているが、特に徴税の促進強化に対應して所得額の決定の公平と均衡を図るために、各市町村、税務署、財務局ごとに所得の賦課更正、決定の諮問機関として所得調査委員会(仮称)を設置するが適当と考えられるが、政府の意見はどうか。

 右質問する。





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