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昭和二十五年二月十三日提出
質問第四〇号

 呉市の失業対策に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和二十五年二月十三日

提出者  春日正一

          衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿




呉市の失業対策に関する質問主意書


 呉市の失業の状態は、真に深刻なものとなり、約十八万五千の人口中、失業者数は濳在を含めて実に四万人に達するといわれており、呉市当局の発表によつても昨年十二月末の失業者数(一定期間就労者を含まず。)一〇、四二七名の内、日雇労働者は四、一七三名(男三、〇四二名、女一、一三一名)であつたのが、本年一月末現在では一〇、六六八名の内、日雇労働者六、二六〇名(男四、五六三名、女一、六九七名)と急速に増加しつつある。
 しかも右の失業者に対する失業対策事業の認証わくは、呉市分として第四・四半期市営八五〇名、県営八〇〇名、計一、六五〇名分であり、それも実際には過去の繰上施行のため、現在市営五三〇名、県営六五〇名、計一、一八〇名を就労させ得ているにすぎない。
 即ち、当局発表の完全失業者数一〇、六六八名と就労人員一、一八〇名との差は九、四八八名となり、日雇労働者数と比較しても、僅々五日ないし六日に一日しか就労できず、潜在失業者を含めた総失業者数に比較すれば実に四十分の一にすぎない。
 しかも現在日雇労働者の賃金は、軽作業で最低一二八円、最高一九四円、平均一六一円、重作業で税込最低一七三円、最高二六二円、平均二一八円、普通一般に手取一五 ― 六〇円という少額であり、月に五日就労できたとして月收八〇〇円にすぎず、なんらの救済になつていない。
 昭和二十五年度の県の査定によれば、呉市として市営一、七〇〇名、県営一、二〇〇名、計二、九〇〇名となつているが、最近の失業者の激増傾向、潜在失業者の顯在化を併せて考慮するとき、このままで推移するときは、真に怖るべき事態を惹起する可能性があるとは県当局者自身が切に訴えているところである。
 さらに県当局は、一日の就労人員のわくを最少限一〇、〇〇〇人としても、なお、完全雇ようには遠いが、やや失業者の明るい顔をみることができようとのべているが、かりに一〇、〇〇〇人の日雇労働者を就労させるとすれば、賃金を現在のままとしても年六億円を必要とし、現行法ではその三分の一、二億円を地方自治体が負担しなければならないことになるが、呉市の税收入は総額年一億六千万円にすぎないため実際上困難である。

一 政府の失業対策なるものは、激増してゆく失業者に対してなんら救済策になつていない。これは呉市だけの現象でなく、全国的な重大問題である、この点政府はいかに対処するか。
二 呉市に対する失業対策事業の認証わくを直ちに市当局の要望通り最少限一〇、〇〇〇人以上とする必要があると思うがどうか。
三 呉市の市税收入額からみても到底失業対策事業費の三分の一の地方負担は不可能である。従つて右事業費は全額国庫負担とする必要があると思うがどうか。
四 呉市における日雇労働者の賃金は、平均手取り一五―六〇円であり、これでは到底一家の生計を支えることはもちろん、労働者自身の生活にも足らない。これは直ちに手取り三〇〇円以上とする必要があると思うがどうか。

 右質問する。





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