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昭和二十五年三月二十八日提出
質問第一〇二号

 農地委員会書記の身分に関する再質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和二十五年三月二十八日

提出者  土橋一吉

          衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿




農地委員会書記の身分に関する再質問主意書


 政府は、さきの答弁により市町村農地委員会は国家機関ではなく、又それに勤務する書記も国家公務員でないことを明らかにしているが、しからば農地委員会書記は地方公務員であり、従つて市町村吏員としての身分の保障が與えられなければならない。
 しかるに政府は、これらの点を明確にすることを回避し、その責任は政府に無しと卑怯きわまる態度をとつている。
 今回の一万二千名の首切りも、農地委員会書記がその勤務上においてなんらかく首される理由がないのにもかかわらず、單なる政府の財政難を理由としているのみで、一方的に行うものである。これは労働者の基本的人権を無視する前代未聞の罪惡行為であり、断じて許すべからざるものである。よつて政府は、農地委員会書記の身分に関する次の諸点に対し、その法的根拠を明確に挙げて答弁されたい。

一 農地委員会は、地方公共団体に設置された機関であり、その経費は地方公共団体によつて賄われているのであるから、農地委員会書記は市町村吏員である。これにつき政府の見解如何。
二 さきの答弁では、農地委員会書記は市町村の職員たる身分を有するものといつているが、かかるあいまいな取扱によつて市町村職員としての取扱を受けていると考えるか。これについて政府の見解如何。
三 政府は、農地改革事業創設以来今日まで、なにが故に農地委員会書記の身分を市町村職員たる身分を有するものというあいまいなものにして、今日までに至つたのであるか。かかる存在を今日まで放置しておいたその理由如何。
四 農林省責任編集、農地委員必携(農地委員会全国協議会発行)第一三九頁第一行に「農地委員会の職員は中間的な性格を持つている。」と記されているが、中間的存在というものは存在し得るのか、又そのような存在はいかなる身分上の保障を與えられるものであるか。これにつき政府の見解如何。
五 市町村職員たる身分を有するものとは、あらゆる点において市町村吏員と同一であると解するが、これについての見解如何。
六 現在農地委員会書記は、市町村長がこれを雇ようし、市町村長より俸給を受けている。従つて書記の身分保障についての責任者は市町村長であると解するが、これにつき政府の見解如何。
七 農地委員会書記が、従来の業務より地方公共団体の業務につく場合は、今日まで同一職場内の配置転換として取り扱い、従つて退職金も給與せず、退職、新規採用等の手続もせず継続勤務として処置してきているが、この慣例から推察するに、市町村吏員として身分上の待遇をしていることになる。故に今後も市町村長は農地委員会書記の増減如何にかかわらず、農地委員会書記の身分を他吏員と同一に取り扱う責任と義務があると解するが、これについて政府の見解如何。
八 本年三月末をもつて農地委員会書記は予算上より一名かく首されることになるが、このかく首の当事者は、政府か市町村長かを明確にされたい。
九 農地委員会書記が、労働基準法に基く災害補償を受ける場合、その責任者は市町村長であり、支拂責任者も市町村長と解するが、これにつき政府の見解如何。

 右質問する。





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