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昭和二十五年十一月二十一日提出
質問第一五号

 地方税の賦課徴收に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和二十五年十一月二十一日

提出者  山口武秀

          衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿




地方税の賦課徴收に関する質問主意書


 地方税の賦課徴收は、最初のことでもあり、特にその執行に当るものに法に対する無知や無反省な態度があるときは、混乱や納税者への迷惑が生ずるので、次の事実をあげて、政府の見解を質すものである。
 地方税法は、地方税の賦課徴收について法の定める当該地方団体の條例によらなければならぬときまつているが、茨城県鹿島地方事務所では、茨城県会で県税條例の決定した九月一日以前の八月二十八日若しくは同月三十一日附で、昭和二十五年度において課する事業税及び特別所得税課税標準決定の通知書(それには前期、後期の税額も記入されている。)及びそれに基く第一期分徴收令書を納税者に出している。
 これに対し、納税者が不審をもつて「違法でないか。」と問い合せたのに、地方事務所長は、「絶対違法でない、違法ならば私は腹を切る。」と答えていた。さらに賦課徴收は違法であるとのうわさが一般に出るや、それについて地方事務所長は公文書を管内町村長に出して、違法でない旨を強調し、その旨を一般納税者へ普及徹底させるよう通告している。
 ところが、一般納税者へは何の説明もなく、十月二十八日に突然さきの課税標準額決定通知及び徴税令書はこれを取り消すとの通知書が届けられた。このため多くの混乱が生じてしまつた。それ故に、納税者は再度地方事務所に質したところ、十一月十三日、所長の見解として税務課長が次の如く答え、さらに将来ことあるときのためにとその答弁を文書にして所側が捺印して納税者へ渡している。
 それによると、「取消通知書は県の上司から命令があつたからやつたのである。」「取消は県会に対する関係のためにやつた。」「所長としてはいまだに違法とは考えていない。」等々のことを明らかにしている。
 徴税令書などの取消をしなくてはならないような違法行為は重大な失態事件であり、納税者を混乱させており、しかもそれに対して一片の釈明もない態度は許されない。将来かかることが各地に起らないように政府は充分指導の必要ありと考えられるが、政府の見解は如何。
 さらに、鹿島地方事務所長の場合、所長は今も違法でないと確信し、一方県の上司は取消を命じている。両者の見解は全く異つて対立している。これは法の執行に当るもののこととして、放任しえないことである。政府の見解をききたい。なお、県会に対する関係で取消をしたというが、それは法の誤らない運営、県税條例の誤らない適用という点からだと思われる。県会への政治的考慮からということで取消がなさるべき等のものではない。とすると所長の考えと態度はここで大きい問題になる。この点についても政府の見解を明らかにされたい。

 右質問する。





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