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昭和二十七年三月十五日提出
質問第二二号

 一般乘用旅客自動車運送事業に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和二十七年三月十五日

提出者  岡田春夫

          衆議院議長 林 讓治 殿




一般乘用旅客自動車運送事業に関する質問主意書


 昭和二十二年道路運送法施行により、現在首都東京都における一般乘用旅客自動車(十人乘以下)運送事業者の数は二百三十数社を算し、その合計車両台数は六千八百台のほぼ都下交通需要量のマキシマムに至ろうとするやに考えられるときにあたり、最近一部大企業者の企業拡大及び増車台数制限の意図により中小企業体経営組織を分裂せしめる等の実力行使手段により右の目的を遂行する業者が発生し、ために公共事業たるハイヤー、タクシーの免許目的が無意味となり未曾有の混乱状態にあるやにそく聞するが、道路運送法の運用の実体に関し左の事項につき政府の詳細なる回答を願いたい。

一 明昭和二十八年三月三十一日現在の東京都下における交通需要量を過去三箇年間の需要増加要求量の率を基準として推定量を正比例に想定するときは、ハイヤー、タクシーの供給量の妥当なる台数は最高幾千台と思考するや。
二 右の予定最高台数の供給量に到達させる方法として、既免許事業者にその供給量を求むるを可とするや、あるいは新規免許予定者の導入にそれを求むるや、又は両者にそれを求むるとする意思ある場合においては、前両者に対してはその比率はどうか、更に既免許業者間における増車の比率はその保有台数に対し正比例に求むるや、又、逓減的に求むべきやどうか。
三 最近の事業者の経営内容は、実質的には全事業者の約六〇%はその働きの分量において利益分配がなされるとする企業組合的か、又は相互株式会社的に経営者及び株主(車両主と称するかに聞く。)との間に利益の分配を行い、約二五%は経営代表者個人と他の株主との間に相互会社的に利益を分配し、約一〇%は会社経営とは表面形態のみであつて、実態は一個人によつて経営せられ、他の五%は戰時統合の惰性によつてやや一般産業に見る株式会社法による経営を営むやに聞くが、政府は中小企業を基幹とせざるべからざるわが国産業の実体並びに該事業の有する公共性の要求度にかんがみ、いかなる経営形態が該企業の健全性及び永続性を最高度に発揚せしめ、もつて公共の利便のためにサービスせしめる形態なりと考えるか、更に将来において理想形態として一單位の経営体の保有すべき車両の最少限度台数は何台か。
  過去及び将来にわたりここ一、二年は社会的内容において急激なる変化はなかつたし、又あり得ないものと考えられ、従つて昭和二十五年五月二日石野久男議員に対する回答のごとく免許、基準台数なるものがなく、その都度免許台数が変化するものであるとするような無計画性を立証するような回答は許されないと信ずる。
四 道路運送法第六條第一項第二、第三及び第四号と関係せしめて同法第三十六條を民主的立憲資本主義国家の條件下において同法を解釈するときは、過去数十年間に及んで該事業の経験を有する者の集合によつて形成せられたる相互株式会社的経営体が全経営体の過半数を占める現況にかんがみ、それらを名義貸行為と認定する以前に該企業者をして企業組合、相互株式会社、株式会社、及び個人等の各種経営形態に再編し、弱小なるものについては事業協同組合の結成を奨励する等その内容を堅実化するとともに大企業化の方向に移行せしむるべきと考えるが、政府の見解はどうか。又、名義貸とは何か。数種の経営内容を挙げ説明せられ、並びに名義貸の不可とする反社会的理由を説明せられたい。
五 先般商法改正に伴い株式の裏書讓渡制限の撤廃が行われ、株式の有価証券性が強く主張されるに至つた結果、当該事業の株式が一般公開せられ、その株式は何人の手にも自由に入る結果となり、ある特定人がある特定事業者の経営権の獲得を意図するときは安易に現在の経営陣を変化せしめうる結果となり、しかるときは当初免許基準において要求せられたる経営手腕の有無を判定せる人的構成の要素は全く無意味となると考えられるが、その点はどうか。
六 将来資材及び燃料が統制廃止せられたりと仮定するときにおいて、該事業の免許制とせねばならぬ主たる要因は何か。
七 過去、現在にわたり該事業の公共性にかんがみ政府は、該事業の免許制を採用しきたつたと考えるが、政府は、この事業に対し外車配分、燃料配給、融資順位の決定等に関し他の非公共性産業に比しなんらの優位をも與えなかつたと考えるが、将来の対策はどうか。特にこれらの事業者の現在有する車両の平均年令は、十五年平均程度の老朽車をもつて運行せられある現況にかんがみ、早急なる車両入換えの要あると考えられるが、これらに対し講和後において外車導入に際しいかなる購入機関の経路によつていかなる代金決済の方法によつて導入されるか、又、これら引取りに関し銀行融資等のあつ旋がなされるかどうか。具体的方法はどうか。

 右質問する。





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