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昭和二十八年七月十日提出質問第三二号
利根川の治水対策に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和二十八年七月十日
提出者 天野公義
衆議院議長 堤 康次※(注) 殿
利根川の治水対策に関する質問主意書
利根川の治水問題はわが国にとつては大きな問題であるが、今回の九州水害の実態にかんがみ、その重要性は急激に増大したと考える。特に水害に苦しむ江東地区にとつては利根川の治水は直接生死を左右する問題である。これに対し当局は江戸川に毎秒五千立方メートルの水を流して利根川のこう水を調節する計画を樹てているが、昭和二十二年のカスリーン台風の時は二千八百立方メートルの水を流したのみで、ついに栗橋附近の堤防の決壊をみた。
江戸川の水路を改修して多量の水を流すことは利根川堤防の負担を緩和するものであるが、この工事は今なおあまり進ちよくしていないが至急完成すべき必要がある。また江戸川分水の関宿より東京湾までの距離は鹿島灘までの距離の半分である。長距離より近距離の方が放水するに都合がよいのは自然である。
江戸川改修は江東地区が救われるのみでなく利根川下流地方もこう水の惨から救われるのであるから、江戸川改修は是非急がねばならない。
右質問する。