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昭和二十八年七月二十四日提出質問第三八号
吉田内閣の綱紀粛正に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和二十八年七月二十四日
提出者 栗田英男
衆議院議長 堤 康次※(注) 殿
吉田内閣の綱紀粛正に関する質問主意書
大蔵大臣小笠原三九※(注)氏が、前社長、現在代表取締役である本町興業、太平洋海運両会社を被告とした「登記抹消並びに土地返還請求」の訴訟が、現在東京地裁で審理されているが、訴状によれば、小笠原氏は、同居人杉本喜一氏の死亡時刻を故意に遅らせ、同居人の死後登記に必要な印鑑証明を取り、死亡者である杉本喜一氏所有の土地を相続人の知らぬ間に、小笠原氏設立の本町興業によつて所有権移転の登記を行わしめた。原告側は、登記申請は所有者の死亡後に行われたのであるから無効だと主張している。
つまりこの紛争の背後には、登記手続をめぐつて小笠原氏に対して幾多の疑惑が持たれるのである。吉田総理は、常に綱紀粛正を口にする以上、本件は、小笠原氏が通産大臣在任中のことであるので、この疑惑を一掃するため本件に対する政府の見解如何。
右質問する。