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昭和三十二年五月七日提出
質問第五号

 賠償実施の適正化に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和三十二年五月七日

提出者  高津正(注)

          衆議院議長 (注)谷秀次 殿




賠償実施の適正化に関する質問主意書


 さきにフィリピン及びビルマとの賠償協定が締結され、近くまたインドネシア、あるいは南ヴェトナム等との協定もその実現を見ようとしているが、賠償内容の完全なる履行は、わが国と関係国間の友誼の復興上からも、信義の確保上からも、きわめて必要であることは言をまたない。
 特に役務賠償として提供すべき各種施設は、ながく関係国民の福祉生活に活用されるべきものであり、かつ、わが国建設技術の効果的な海外展示ともいうべきものであるから、いやしくもその精密さ、堅ろう性において欠けるところがあつてはならない。同時にまた、それらの賠償金額は国民の血税によつてまかなわれるものであるから、その内容において、たとえ一円の冗費ももられてあつてはならない。
 しかるに、現協定上よりするその具体的処理方法を見ると、相手国賠償使節団とわが国民又は法人が直接に契約を締結し、わが国の政府としては、協約の規定、両国政府が協定の実施のために合意している取極め、その時に適用されている実施計画に合致するものであるかについての認証を与えること及び主として賠償金の支払に関して監視することだけにとどまり、契約の内容、実施の確認等の重要事項は、すべて前記両者の自主的決定にまかせており、政府当局としてなんら関与するところがない。
 しかるに、最近数年間における会計検査院の決算検査報告を見ると、政府直轄施設の工事請負の施行にさえとかくの問題が多く、設計における過大積算、工事施行における粗ろう、手抜きの事例等が数多く指摘されており、わが国の一流業者と称せられるものも、決してその例外とはなつていない。
 しかしながら、これらは国会等の非難の的となつていても、その醜を海外にさらすまでには至つていないが、発註当局が、厳正なる積算と、周到なる工事監督及びしゆん功検査を自らの専門技術者によつて行つているはずの直轄工事等においてさえ、このように常にその不当性が糾弾されているものについて、役務賠償の対象となる諸種の建設的施設に関しては、関係業者の自律のみに放置して、政府当局はなんらこれに関与しないということは、わが国の権威と信用を、関係国に確保する意味において、余りに無責任であるように感ぜられる。従つて、次の点について政府の見解を伺いたい。

一 右の見解に対する政府当局の見解如何。
一 国内の事例に照らして、関係業者の契約内容にまで関与して、その設計を適正なものに是正し、かつ、その完全な履行を確認する行為を、政府が責任をもつて自ら行うか、あるいは政府の意図を代行するにたる公共的機関を設置する必要を感ぜられるかどうか。
一 その必要性を感ぜられるとしたら、いかなる具体的方法をとられるか。

 右質問する。





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