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昭和四十年五月二十五日提出
質問第一四号

 戸倉郵便局の不正事件に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和四十年五月二十五日

提出者  松平忠久

          衆議院議長 (注)田 中 殿




戸倉郵便局の不正事件に関する質問主意書


一 長野県埴科郡戸倉郵便局局長柳沢勝三氏は、局長代理滝沢保氏と共謀し上山田町収入役山崎直氏、戸倉町前収入役中村貞雄氏を仲間に引き入れ、公金を不正に流用着服したけん疑をもつて、去る五月十一日ごろ長野県警の手入れを受け、その不正流用総額は一億六千万円に達し、実被害額は五千四百五十万円に上ると、各新聞は報道している。
二 この不正事件が司直の手に係り、各新聞に報道される前、すなわち昭和三十五年六月ごろ、戸倉郵便局長の妻の名義をもつて経営している「信栄興産」が、その取扱い商品たるテレビを附近の各郵便局に持ち込み、郵便局をテレビ販売代理店の窓口として特定の職員に販売を委嘱し、一般職員や町民に販売し、一台につき三千円の手数料を特定職員に与えていた事実があり、また他方郵政共済組合から某々職員の印鑑を盗用して貸付金を受け、これを前記「信栄興産」の運転資金に充当した事実が一部発覚され、当時すでに長野郵政監察局の監察を受けたことがある。
三 しかるに前記「信栄興産」は、昭和三十五年ごろ約二千万円の赤字を出し、そのころより簡易生命保険金等還元融資の悪用を行ないはじめたことが判明している。
  また、その後郵政互助会の金にも手をつけ、職員の印鑑を盗用して住宅資金名義の金を借り入れ、前記「信栄興産」に流用したほか、共済組合の金をも引続き同様手段で引き出し流用した事実が判明している。
  右のほか職員の超過勤務手当をゴマ化して私用し、「信栄興産」の小包や電話料を公用扱いとした事実等々、その他幾多の不正事件が発覚している。
四 この間において、定期監察も行なわれたのであるが、そく聞するのに、戸倉郵便局に対する監察は、戸倉町のヘルスセンター(白鳥園)において行なわれた由であり、真面目な監察が行なわれていない一例と言わなければならない。
五 長野県においては、最近数年間において黒川渡(南安曇郡)郵便局長の不正事件、和(小県郡)郵便局長の不正事件、国分(上田市)郵便局長の不正事件等続発しており、その根源は「部外者任用」「世襲任用」による局長等の公私混合を誘発しやすい現行制度にあるものと断ぜざるを得ない。
六 ついては、次の点につき、政府の誠意ある回答を煩わしたい。
 (イ) 戸倉郵便局に対する監察は、いかに実施されてきたのか。
 (ロ) 内部の監察がずさんであつて、外部の摘発によつて事件の全容が明らかにされるがごときは、現行監察制度の欠陥ではないのか。
 (ハ) これらの事件に関連して監察当局はいかなる責任をとるつもりであるか。
 (ニ) また、これら不正事件を起こした特定局制度の再検討を行ない、特定局長の「自由任用制」および特定局の局舎問題を改革する用意はないのか。

 右質問する。





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