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昭和四十年十二月十一日提出
質問第五号

 西宮市におけるLPガス・タンクローリー転覆爆発事故に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和四十年十二月十一日

提出者  山下榮二

          衆議院議長 (注)田 中 殿




西宮市におけるLPガス・タンクローリー転覆爆発事故に関する質問主意書


 さる十月二十六日未明、第二阪神国道兵庫県西宮市川西地先において発生したLPガス・タンクローリー転覆爆発事故に関し、政府のとつた措置ならびに今後の施策について質問する。

一 今回のタンクローリー転覆爆発事故をはじめ、昨年六月、昭和電工川崎工場におけるプロピレン化合物入りタンクの爆発火災事故、同九月、富山化学における塩素噴出事故、同じく九月、茨木市におけるLPガスタンク爆発火災事故、本年四月、名古屋市におけるLPガス充てん所火災事故、同じく四月、小金井市におけるLPガスボンベ爆発事故等、最近頻発する化学災害、産業災害に対する政府の基本的見解いかん。
一 現在、火薬類については、「火薬類の運搬に関する総理府令」により、その運搬経路等の事前届出等、厳しい規制があるが、LPガスの運搬については、全く野放しの状態である。政府はLPガスについても火薬類と同じく、運搬する経路、時間、速度、あるいは運搬業者、運転手の資格等について厳しく規制すべきであると思うがどうか。
一 今回の爆発火災事故は、タンクの上部に突出している安全弁等の附属品が、転覆の衝撃で損壊し、そこから流出したプロパンガスがなんらかの原因で引火爆発したものであり、タンク本体は破裂していない。この点から、本年九月九日改正された「高圧ガス取締法施行規則」に保安対策上の重大な不備があつたと考えられるが、政府の見解を明らかにされたい。
一 さらに同規則はその改正により「LPガスタンクローリーの運転手は一年以上の経験者か、高圧ガス保安協会の検定試験に合格した者に限る、さもなければ有資格者が同乗する」との趣旨を新たに定めたのであるが、本年十月一日施行、しかし一年間の実施猶余となつており、実際には来年十月一日からはじめて実施されることになつている。猶余期間を設けるならば、その間、別に安全を期するための強力なる行政措置が講ぜられるべきであり、免許制をより強化する必要があると考えるがどうか。
一 今回の事故をひきおこした弓谷運転手は、事故当時、規則に違反して、二人で乗るべきところを一人で乗つており、しかも事故の前日、早朝より兵庫県から大阪、大阪から兵庫県但馬方面にプロパンガスを運搬し、同夜九時頃同じくプロパンガスを和歌山まで運搬し、さらに夜中の十二時すぎ和歌山を出発して午前三時二十分ごろ西宮市でこの事故を起こしている。これは、われわれの想像をこえた過重労働であり、長時間労働で、明らかに労働基準法の違反であると考えるが、地元の労働基準監督局はその責任を果たしていたか。
一 今回の爆発火災事故の被害者に対する各種の救済措置あるいは補償等について政府の施策を問う。
  まず今回の事故に対する救済、補償について政府は、国道上の事故であるため国が責任を負うこと、働き手を事故でなくした遺族に対する補償は万全を期すことを前提とすべきであると思うが、政府の見解はどうか。
  次に、不幸にも死亡された五名のひとびと、および重軽傷を負われた二十数名のひとびとに対して「自動車損害賠償保障法」に基づいて政府はいかなる処置をとつているか、その経過を伺いたい。
  第三に、同法に基づいて死亡者に支払われる金額は、わずか百万円にすぎないが、政府はすみやかに法改正を行ない、人間尊重の実を示すべきであると考えるがどうか。
  第四に、同法は対人強制保険であり、交通事故に因る家屋損壊、類焼、積荷等の物的被害には適用されていない。今回のような大規模な交通災害が増加しつつあるすう勢にかんがみ、対物強制保険制度を取り入れるべきであると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
一 今回の災害による被災者に対する救援更生措置について政府に伺いたい。地元西宮市では四十年度市民税その他の地方税の減免措置を講じたが、政府も国税の減免措置を講じ、被災者に対する救援を行なうべきであると思うがどうか。
  また、全半焼、全半壊の被害家屋に対し、政府は、住宅をもとどおりにするとの基本的立場に立つて、再起のため、住宅金融公庫あるいは中小三金融公庫等から特別融資を行ない、一日も早く生活が安定できるよう血の通つた救援更生措置をとるべきであると考えるが、政府の見解を伺いたい。

 右質問する。





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