衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
昭和四十二年四月十日提出
質問第三号

 台湾産バナナ輸入取引に関する再質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和四十二年四月十日

提出者  春日一幸

          衆議院議長 石井光次郎 殿




台湾産バナナ輸入取引に関する再質問主意書


 三月二十八日附質問主意書に対する答弁書は、質問項目に対し答弁がされてない部分があるので再質問する。
 今回台湾産バナナの輸入に関する質問を行なつた趣旨は、資本取引の自由化が進められようとしている現在、果物類の国内流通市場においても、自由化の進展に伴い、国内市場に進出が予想される外国の青果物専門の大企業との間において生ずる競争に際し、国内の関係事業者があい協力して国内市場をまもり、業界の安定を期することができるようにするためである。
 従つてこの台湾産バナナの輸入業界に対する政府の施策もまた、このような観点から公正な輸入秩序の確立を図ることにより、外貨資金の不必要な流出を防ぎ、及び消費者価格を安定ないし低下させるとともに、加工業者及びりんご、みかん、その他の国産果物の生産者保護に資することができるよう指向すべきものであると考える。
 右に述べた趣旨を前提として次の諸点についてその施策をどう講ずるか、明らかにされたい。

一 政府の答弁書にも述べているとおり、過去の台湾産バナナの輸入業界においては、「不公正競争が発生し」、この弊害を是正するため昭和四十年七月以降は、過去の実績に基づく輸入割当てが実施されたのである。しかし、過去の実績たるや、さきに提出した質問主意書にも述べたごとく、「不公正競争」の結果生じた実績でありこれをそのまま温存しているところに問題がある。すなわち、最近行なわれている合併又は営業譲渡等に際してこの割当て実績が財産権化し、及び輸入割当て行政においても、これを利権として扱う傾向がみられるのである。また、かつて七百社に及ぶ業者数が現在二百六十社ないし二百七十社程度に整理されようとしているが、政府は、その答弁書で「むしろ数が多すぎるために業界内部には、依然として過当競争の危険性が潜在する実情でありうんぬん」とあつて、業者数の過多から招来される過当競争という認識であるが、問題の焦点は、過去における不公正競争の結果生じた実績を是正しなければならないという点にある。
  すなわち、輸入割当ての是正を行なわない限り、不公正競争が一掃されたとはいいがたいのであり、七百社から二百数十社に減少したという業者の離合集散のみで事足りるわけではない。この点についての政府の答弁がされていない。施策の方向を明らかにされたい。
二 消費者価格を低位に安定させるためには、特定少数の輸入業者が流通市場において価格支配力をもち、価格操作を容易にできるような状態を存置しておくことが好ましくないことは当然である。さきの質問主意書でも述べたとおり、年間輸入総量が定まつており、供給量の増減によつて価格を安定させる機能を十分に働かせることができない現状のもとで、上位十数社が年間数量七百八十万かごのうち、約三百万かごの数量を押え、かつ、製造業とは異なり、それほどの固定設備を必要としない業態である輸入業において、大口割当てを受ける業者の存在は、必ずしも好ましいものと考えるわけにはいかない。まして大口割当てを受けることができる業者のなかに過去の不公正競争によつて実績を獲得したものの占める割合が小口の割当ての場合に比して相対的に高いという状況にかんがみるならば、流通市場に公正な競争条件を導入するためにも、この際割当ての方法について相当の措置を講ずるべきであると考える。この点について、さきの質問に対し政府の答弁がされていないので明らかにされたい。
三 さらに、この際、次の点について質問する。
 (1) 日本バナナ輸入組合は、昨年八月「バナナ輸入取引について組合員の遵守すべき事項を定める規約」を総代会の議決を経て通商産業大臣に認可の申請をしたが、現在に至るも、まだ、認可がされていない。これはどのような事情によるのか。また、輸入割当てが当該規約の内容に従つて行なわれているようであるが、認可されていない規約の内容に従つて輸入割当てが行なわれているのはなぜか。
 (2) 資本取引の自由化に伴い、国内に進出が予想される外国企業に対抗するためには、輸入業者と加工業者とがそれぞれの事業の分野において業界の安定を図るとともに、相互に有機的に協力し、国内の関係事業者が一体となつて強大な外国資本に当たるのでなければ、今後の国内市場は、彼らに押えられてしまうこととなるであろう。政府は、輸入業者と加工業者との間の協力組織について対策があるのかどうか。

 右質問する。





経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.