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昭和四十七年二月二十二日提出
質問第三号

 公的年金と福祉年金の併給に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和四十七年二月二十二日

提出者  横山利秋

          衆議院議長 (注)田 中 殿




公的年金と福祉年金の併給に関する質問主意書


 近年における老人問題は人口の老齢化、核家族化、扶養意識の変化等に伴つて深刻な社会問題となつている。
 今日の日本を築くために貢献した老齢者が、目ざましい経済の繁栄にもかかわらず、激しく変動する社会の谷間で、しかも物価高騰で不安定な条件のもとに今日、生活を余儀なくされているため、老齢者の福祉年金に寄せる期待はきわめて大きなものがある。とりわけ数十万にのぼる公的年金受給者の福祉年金併給制限撤廃に対する要望はきわめて強い。
 そこで公的年金と福祉年金の併給について質問する。

一 政府は国民年金制度の創設当初において、福祉年金は他のいずれの制度からも年金を受けられないものを対象として設けられており、また、福祉年金は全額国庫負担のため二重の国庫負担となること等を理由に公的年金と併給しない方針であつた。もつとも、他の公的年金がごく低額で福祉年金の額を下回る場合は、福祉年金の額まで併給する仕組みが当時よりとられていたが、福祉年金はあめ玉年金といわれたように非常に額の低いものであつた。
  本格的な一部併給が行なわれるようになつたのは昭和三十七年十月からで、一般の公的年金の場合は限度額を二万四千円とし、戦争公務による扶助料等の場合は七万一千円を限度額としたのである。
  ところが、その後、戦争公務関係については数回にわたり限度額を引き上げ、昭和四十六年一月には十七万七百円、同年十月から准士官以下については完全に併給され、さらに本年十月からは准士官以下を中尉以下に拡大しようとしている。
  しかしながら、一般の公的年金受給者(老齢者の場合)には二万四千円のまま据置かれ(昭和四十五年十月に老齢福祉年金の額が二万四千円となつたため、福祉年金相当額に改められた。)、その後昭和四十六年十一月に二万七千六百円となり、本年十月から六万円になる予想であるものの、現状では明らかに併給しないといつても過言ではない。確かに戦争公務関係者は戦争の犠牲となつた精神的なハンディキャップがあることを認めるとしても、一般の公的年金受給者にはあまりに低い。一体併給しない理由は何か。またこの限度額設定の趣旨は何か。
二 戦争公務関係については一部併給はおろか、現在その大部分は完全併給となつている。
  一方、一般の公的年金(恩給や退職年金など)で物価高の中で心配しつつ暮らしている老人の場合は、現在わずか二万七千六百円以上の恩給または年金の収入があれば福祉年金が支給されないという全くきびしい制限である。
  たとえ本年十月から年額六万円になるとしても、まだまだ圧倒的な数のこれらの人には福祉年金は支給されず、きわめて冷酷な扱いである。年金制度が完全に充実されていない今日、最も年金を必要とする老齢者に対し、あまりにもきびしい制限ではないか。
  さらに、一般の所得者と比較してみると、本人の所得制限の限度額三十五万円(給与所得者の場合収入に換算すると約五十四万円)以下のときは、福祉年金が支給されているのである。この金額すらも近く引き上げられる見込みである。
  これらを比較考察するとき、老齢者に対する福祉年金の扱いはきわめて不公平であり、すでに永年にわたり国会へも数多く老齢者の悲痛な陳情請願が寄せられている。
  この際、一般の公的年金を受けているときの支給制限を撤廃するか、あるいは当面少なくとも戦争公務関係の限度額まで引き上げて一部併給を拡大すべきではないか。
  政府の老齢者に対する暖かい配慮を望みつつ改善策を問いたい。

 右質問する。





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