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昭和四十八年二月十三日提出
質問第一号

 医薬分業の推進に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和四十八年二月十三日

提出者  赤松 勇

          衆議院議長 中村梅吉 殿




医薬分業の推進に関する質問主意書


 わが国の医薬分業制度は、明治以来の懸案とされてきたものであるが、戦後、国民医療の向上を目ざす諸施策の進展に伴い、第十回国会において、「医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律(昭和二十六年法律第二百四十四号)」が成立し、法制的に確立された。この制度は、当初、所要の準備期間を考慮して、昭和三十年一月一日から施行される予定であつたが、第二十回国会及び第二十二回国会における法律改正(昭和二十九年法律第二百十一号及び昭和三十年法律第百四十五号)により昭和三十一年四月一日から施行され、今日に至つている。
 したがつて、わが国の医薬分業は、法律制定以来二十年を越え、現実に施行されてからすでに十七年の歳月を経過しようとしている。
 しかるに、去る一月二十九日の衆議院本会議において、齋藤厚生大臣は、(注)原弘市君の質問に対し、次のように答弁している。すなわち、「医薬分業の推進は、診療報酬の適正化とも関係がありますので、この問題を含め今後とも診療報酬の問題については、中医協で御審議いただけるものと考えておりますし、なお、医薬分業の推進については、薬局の受け入れ体制の整備状況等を十分勘案しなければなりませんので、慎重に検討いたしてまいりたいと考えております。」と。
 この答弁は、従来から医療保険財政への影響や、薬局の整備状況等を理由として、医薬分業を阻止するために用いられている論議を繰り返えしたものであり、医薬分業を事実上二十年間も放置して、なお、「慎重に検討」という厚生大臣の姿勢はまことに遺憾である。よつて、医薬分業の推進について質問いたしたい。

一 医薬分業がどの程度実施されているか、たとえば保険薬局の取扱い処方せん枚数・調剤報酬と社会保険等の療養件数・金額との割合等、必要な統計数値によつて現状を数量的に明らかにされたい。
二 厚生省は、昭和四十五年度に薬局・薬剤師数の予測に関する研究を行ない、昭和四十六年度からは、医薬品検査設備費の国庫補助(一千万円)を行なつているが、このほかに昭和三十一年以降医薬分業の推進のため、いかなる施策を行ない、どのような成果をあげたか明らかにされたい。
三 厚生省は、薬局の受入れ体制の整備を主張されるが、整備の現状を明らかにし、かつ、整備のため、厚生省が昭和三十一年以降いかなる対策を講じたか明らかにされたい。
四 医療金融公庫が、昭和三十五年以降薬局(調剤のために必要な施設)に対し資金の貸付けを行なつた件数及び金額を各年度別に明らかにされたい。
  また、薬局の受入れ体制整備のための金融公庫を創設する等、積極的な施策を検討する用意があるか明らかにされたい。
五 厚生省は、診療報酬適正化との関連を主張されるが、その関連性と適性化の内容について中央社会保険医療協議会における論議を別とし、政府みずからの見解を明らかにされたい。
六 昨年、医療保険制度の抜本改正に関する内閣提出法律案において、医薬分業を行なう地域を政令で指定する方向を示した。また、さきの薬局・薬剤師数の予測に関する研究において、昭和五十年度には医薬分業体制の確立に支障がないとの結論に達している。したがつて、この際、医薬分業推進のための基本的な方針と具体的な計画を示す必要があると考えるが、その点についての見解を明らかにされたい。
七 長年月にわたり医薬分業体制が未確立のまま放置されたため、多種多様の医薬品が製薬企業の手によつて生産され医薬品市場は混乱し、不良医薬品の服用による医療事故が発生する等国民医療にとつて大きなひずみが生じている。したがつて、薬局の物的設備等の整備を充実し、地域における医療体制のなかで調剤を行なう機関として適正に配置し、医薬分業体制を確立することは今日の急務となつている。また、そのことが国民の健康増進に真に寄与するであろうと考えるが、その点についての結論的な見解を明らかにされたい。

 右質問する。





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