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昭和四十八年三月八日提出
質問第五号

 医薬分業の推進に関する再質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和四十八年三月八日

提出者  赤松 勇

          衆議院議長 中村梅吉 殿




医薬分業の推進に関する再質問主意書


 わが国の医薬分業制度は、法制的には昭和二十六年以来確立されている。それにもかかわらず、政府は、今日まで法律の施行を怠り、法律を誠実に執行するという憲法上の義務を事実上放棄しているというべきである。
 このため、さきの質問主意書において、医薬分業の実施状況を問い、今後の方策をただしたのであるが、これに対する内閣の答弁書からは、法律を誠実に執行しているものとはとうてい判断しがたく、また、まつたく答弁の要領を得ないので再質問いたしたい。

一 答弁書によれば、昭和四十六年度における保険薬局の調剤報酬は、医療費総額のわずかに〇・四四パーセントを占めるに過ぎない。また、医療金融公庫の薬局に対する貸付けは、過去十三年間の総計でわずかに二十五件を数えるに過ぎない。
  この事実は、法律施行後十七年間、医薬分業をほとんど実施していないことを立証している。
  この怠慢について政府はどのように反省しているかを明らかにせよ。
二 答弁書によれば、「無薬局地区の解消」について「所要の措置を講じている」という。しからばいかなる措置を講じ、その結果無薬局地区とその解消地区の分布にどのような変化が生じたかを具体的に明らかにせよ。
三 答弁書によれば、「広報活動」等を通じ「国民に対する積極的な啓発宣伝を行なうなど」をしているという。
  しからば、厚生省がみずから広報ポスターを作成したことがあるか。
四 答弁書によれば、「医療金融公庫の貸付け等を通じて」薬局の整備に努めているという。過去十三年間の貸付総件数二十五件、一件当たり貸付金額平均が四十万円にも満たない実績に照らして、果たして薬局の整備に努めているといえるか。
五 さきの質問主意書において薬局整備の現状を明らかにするよう求めたが、これに対する答弁がない。現状を明らかにせず、ただ抽象的に整備に努めているという答弁をすることは、内容の欠落した単なる文言だけの羅列に過ぎない。このことは、言葉としての薬局の整備を強調しつつ、実体的には薬局の整備を事実上放置してきた証左ではないか。
六 薬局の整備のための資金援助について関係者の要望も多い現状にあるにもかかわらず、医療金融公庫の融資制度が前述のごとき実績しか生まれないことについて、検討を加えたことがあるか。また、この制度自体についてあるいはこの制度の運用において何らかの欠陥があると考えないか。
七 医薬分業と診療報酬適正化との関連については、厚生大臣が衆議院本会議において、みずから言及したところである。従つてさきの質問主意書において、その点の具体的な内容をただしたものである。しかるに答弁書によれば、結局診療報酬は、従来から適正化されており、今後も適正化の審議が行なわれるので善処したいという意味のように推察されるが、およそ日本語の通常の読解力をもつてしては、その意味はまつたく理解しがたい。結局、いかなることを答弁しようとしているのか、その真意は何か。
八 法律施行の経過を顧み、かつ、現状を客観的に分析するならば、結局のところ、政府は、法律を誠実に執行するというみずからの義務を放棄しながら表面上は、法律の施行について積極的に取り組んでいるかのように偽装している。しかも政府は、何らかの積極的な施策を講じない点を覆いかくし、事実を明らかにしないことによつて、医薬分業体制未確立の基本的要因が薬局側それ自体にあるかのように印象づけ、すべての責任をこれに転嫁させている。このような二重の行政的政治的手法を用いて、政府は、医薬分業の事実上の遅延を図つていると判断せざるを得ない。この点をいかに考えるか。
九 最後に答弁書によれば、「医薬分業の推進は国民医療の向上を期するため必要と考えている」ともいう。この言葉をこの際あえて文字通り信ずるとすれば、重ねて医薬分業の推進について政府の決意を問う。

 右質問する。





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