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昭和五十年二月四日提出
質問第八号

 戦災傷病者に対する特別援護措置に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十年二月四日

提出者  渡辺武三

          衆議院議長 前尾繁三郎 殿




戦災傷病者に対する特別援護措置に関する質問主意書


 先の太平洋戦争の末期にあつては、夜昼の区別なく激しい空襲で内地の諸都市はせい惨な戦場と化し、国家総動員法によつて軍官民一丸となつて戦い、そのため不幸にして多数の戦災傷病者を出すに至つたことは、日本国民の忘れることのできない一大痛恨事である。
 これら戦災傷病者は、国家総動員体制の一員として国策に協力し、空襲により負傷し又は疾病にかかつたのであるから、軍人、軍属、被徴用者、国民義勇隊員等と本来的に区別されるべきものではなく、いわんや原子爆弾被爆者と本質的に区別されるべき何らの理由も見出し難いと考える。
 しかるに、これら戦災傷病者は、それ以来三十年の年月にわたり、国からは何の援護もなく、戦争犠牲者として傷病苦と生活苦に人知れずしんぎんしながら辛うじて露命をつないできている実情である。
 これに反し、軍人、軍属、被徴用者、国民義勇隊員等に対しては、国家補償の精神に基づき、戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦傷病者特別援護法により、障害年金又は障害一時金の支給、療養の給付、療養手当の支給、更生医療の給付、補装具の支給及び修理、国立保養所への収容、国鉄の無賃取扱いといつた手厚い援護が行われ、被爆者に対しては、同じく国家補償の精神に基づき、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律及び原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律により、医療の給付、特別手当、健康管理手当、医療手当又は介護手当の支給といつた手厚い援護が行われている。
 これらと比較し、戦災傷病者に対し国が何らの援護を行つていないことは、極めて片手落ちの政治といわざるをえない。
 インフレと不況の併存する今日、社会的不公正の是正と弱者救済を図ることは、国家の喫緊の責務に属する。
 よつて、政府においては、即刻全国の戦災傷病者の実態を調査の上、速やかに戦災傷病者特別援護法を制定し、戦災傷病者に対しても手厚い援護の手を差し伸べるべきが至当と考えるが、政府の見解を承りたい。

 右質問する。





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