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昭和五十年十二月九日提出
質問第六号

 茨城県筑波町における二つのゴルフ場の地域住民への被害処理に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十年十二月九日

提出者  竹内 猛

          衆議院議長 前尾繁三郎 殿




茨城県筑波町における二つのゴルフ場の地域住民への被害処理に関する質問主意書


 私は、ゴルフそのものに絶対反対するものではありませんが、最近までのゴルフブームによつて茨城県下には沢山のゴルフ場が開設されました。
 そのなかで、私は、既に農林水産委員会において昭和四十八年六月二十八日及び七月五日さらに昭和四十九年七月十一日と過去三回にわたつて筑波町手沢に開設された「つくばねカントリー」と「新つくばカントリー」の設置の経過及びその農政との関連につき質問し、この二つのゴルフ場が山岳地帯であり、傾斜が著しいために、瞬間的な降雨によつて大量の土砂が流出し、河川がはんらんし、住宅及び農耕地への被害はひん発し、関係住民は雨の度に徹夜の警戒を行い、その努力は物心両面にわたつて耐えがたいものがあるという点を指摘してきました。
 以上の経過にもかかわらず、最近は、河川がはんらんしその改修と修復のためには何億もの資金が必要だといわれております。
 私は、十二月一日、地元の要請により、現地調査を行いましたところ、ゴルフ場設置のための樹木の伐採によるはげ山の露出は、筑波山の風景を著しく傷つけていることは、遠方よりみればだれも否定出来ないことでありますが、地元では、傾斜35°〜40°のゴルフ場の土砂が直径20cm〜50cmの石とともに民有林を押し流して、県の指導で作られた五畝程の面積の調整池は、土砂で埋まり、その土砂を運搬の道はなく、今後集中降雨があれば必ず農耕地及び住宅が襲われることは不可避であります。
 このような、生活と生命、財産が脅かされ危険がただよつているときに、許可を与えた県及び町当局は、地元の強い要請にもかかわらず深い思いやりを示さず、会社とりわけ「新つくばカントリー」(本社東京亀有)の不誠意は、防災工事や、災害補償等に表れ地域住民の著しい不信をかつております。
 ついで「つくばねカントリー」に関しては、一昨年の災害後に砂防工事を行つたが、さらにその点検を要することと、このゴルフ場内に、入会地が存在し、筑波町館野の吉江重光氏外十一名の権利者がいるにもかかわらず、その権利関係は今日なお明らかにされておらない点があります。
 以上問題の概要でありますが、私は既に何回か農林水産委員会の質疑を通じてゴルフ場の危険性について質してきたし、茨城県議会でも問題になりました。いまその危険が農耕地にとどまらず人畜に及ぶ状況にかんがみ、大きな事故の起きないうちにこのゴルフ場に許可を与え認可して開発を許した関係諸機関の責任において詳細な調査を行い、住民の生命の安全と生産を守るために、また国定公園としての筑波の美景を存続させるために早急な処置をとることを左記により質問するものであります。

1 関係諸機関は許可条件の基本に沿つて、現在の実態を調査し、危険な実情を確認し防災の方向を指導すべきと思うがどうか。
2 県、町は、被害地の代表を参加させた対策会議を持ち防災の具体的方針を検討し、会社をしてその完全実施をさせるべきと思うがどうか。
3 調整池に流入した土砂は早急に搬出し、今後の不安を一掃し、そのために期日を定め、実施すべきと思うがどうか。
4 用水堀を逆川に流れ込むまで完全なものにすべきと思うがどうか。そうしなければ雨の度に下流がはんらんして農耕地が水没の危険を繰り返すことになる。
5 「新つくばカントリー」の責任者は地元に極めて不誠意であり、用地買収のときの誠意は一かけらもみられない。県及び町には防災の責任は直接ないにしても許可した責任がある以上その任を全うすべきであると思うがどうか。
6 「つくばねカントリー」の入会権については、歴史的な事実や慣行等もあり極めて結論を出すには困難があるとはいえ、長い間の慣行と規定のなかで運営され守られてきたものであるが故に調査し、善処すべきものと思うがどうか。
7 なお、逆川のはんらんで目下修復工事を進めているが二つのゴルフ場設置による乱開発のための鉄砲水と不可分の関係があるとみられるので、今後とも充分考慮の上措置すべきと思うがどうか。

 右質問する。





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