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昭和五十一年五月十四日提出
質問第一〇号

 東亜燃料工業株式会社清水工場の増設計画に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十一年五月十四日

提出者  栗田 (注)

          衆議院議長 前尾繁三郎 殿




東亜燃料工業株式会社清水工場の増設計画に関する質問主意書


 東亜燃料工業株式会社清水工場(静岡県清水市袖師町)は、現有原油処理能力の三・六倍強の増設計画をたて、石油審議会も四十八年十一月「許可をしてもいい」との答申を出している。
 この件につき私は、昨年二月二十四日、二十六日と予算委員会第四分科会で次の諸点を中心に質問した。
@ この付近は、地震予知連絡会議により「観測強化地域」に指定され、遠州灘沖地震が発生した際にはマグニチュード8以上の大地震になると指摘されている。
A 東燃清水工場は埋立地という極めて軟弱な地盤に立地しており、現に不等沈下も起きている。
B 工場と市街地との距離は四百数十メートル、国鉄清水駅との距離は百数十メートルと、火災や爆発等の事故の際には直接市民に被害を及ぼす恐れがある。
C 東燃清水工場の過密度は全国の石油基地の中でワースト五に入つている。
D 事前の安全審査体制もなく、東燃で出している「安全対策」も科学的検証に耐えうるものではない。
 等、地震や津波、また火災などの事故が起きた場合清水市民に重大な被害を及ばさざるをえない。
E 大気汚染によつて公害患者が増大している。
F 東燃のシーバースは運輸省通達に違反している疑いがあり、海上事故にもつながる。
 以上のことから通産大臣は、この増設計画の許可をすべきでないと指摘した。河本通産大臣は「問題点がいろいろあるようだから十分その問題点を調査し、納得いく形で処理したい。」と答弁した。
 以上のことをふまえ次の事項について質問したい。

一 昨年の質問以後、どのような調査を行い検討したのか。経過と内容を詳細に報告されたい。
二 本年二月に静岡県は「静岡、清水地域公害防止計画」を策定SOx、NOx、浮遊粒子状物質等の大気汚染濃度を四十八年度の濃度の二分の一から四分の一(目標五十三年〜五十四年度)に下げることとしている。この目標値だけみても三・六倍の増設計画が無理であると考えるがどうか。
三 東燃のシーバースについて運輸省通達に違反していると指摘した際、運輸省は「改造は四十六年に行われており四十九年通達の対象となつていない」と答えた。だがその後の私の調査により、四十五年八月十七日にも四十九年通達と同趣旨の「港長業務実施要領の一部改正について」を出していることが判明した。この通達は改築のシーバースも対象としている。こうした通達が出されていながら通達に違反しているシーバースの「新設」をなぜ認めたのか。またこの事実が判明したことによりどのように対処するのか明らかにされたい。
四 防災面から、公害防止の点から、また清水港の安全輸送の面から東燃増設計画は許可すべきでないと考える。また、清水市の有権者の五分の二に当たる六万名が増設反対の署名を行つている。この際、通産大臣も「石油業法に基づく許可はしない」と言明すべきだが、どうか。

 右質問する。





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