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昭和五十一年五月十四日提出質問第一五号
身障者の在宅投票制度の改善に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和五十一年五月十四日
提出者 中川利三郎
衆議院議長 前尾繁三郎 殿
身障者の在宅投票制度の改善に関する質問主意書
政府は国民の基本的権利である投票権を身障者の方々にどう保障し、郵便による在宅投票制度をどう改善しようとしているか。
1 第七十二回国会(四十九年二月二十八日・公選法改正調査特別委員会)で、共産党・革新共同津金議員が明らかにしているように、六十五歳以上の寝たきり老人三十五万人を含め体の不自由な方々の基本的権利である投票権は保障されていない。そのため五十年統一地方選挙以降設置された郵便による在宅投票制度はそのねらいとはうらはらに、その実績をみた場合極めて不十分なものと言わざるを得ない。すなわち、五十年統一地方選挙の在宅投票制度の実績をみても、証明書が交付された身障者はわずかに二万五千人弱であり、うち投票できた人は一万五千人にすぎない。
このことは、国民固有の基本的権利である投票権の侵害が身障者に対しいぜんとして行われていることの証明ではないか。
よつて政府は実態を十分に把握するとともに制度の主旨を生かしその拡充に当たられたい。その意志があるかどうか。
2 在宅投票制度が活用されていない原因として証明書の交付が実態に見合つたものになつていないことがあげられる。
政府は国会答弁で「身障者の投票権を保障する努力」をしているというが、例えば秋田市では、五十年統一地方選挙前に申請した百数十名のうち認定された人はわずかに数名であり、結局大半の人たちは投票権を行使することができなかつた。
五十年統一地方選挙時の在宅投票制度の申請が全国で幾人おり、認定できなかつた主な理由は何かを明らかにせよ。
また、郵便料等の助成を含め制度の改善を図るべきと考えるがどうか。
右質問する。