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昭和五十一年五月二十一日提出
質問第三二号

 地方交付税率引上げに関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十一年五月二十一日

提出者  林 百郎

          衆議院議長 前尾繁三郎 殿




地方交付税率引上げに関する質問主意書


 いま全国の自治体はかつてない地方財政危機にみまわれている。
 言うまでもなく、この地方財政危機の原因は、政府の自治体への「三割自治」の押し付け、大企業奉仕の「高度成長」政策、不況とインフレの同時進行の中での経費増と税収減にあることは言うまでもない。
 さらに地方財政危機は生活関連事業など、国民生活の破壊、さらには地方自治そのものの破壊へとつながつているのである。
 この一刻も放置しえない状況の中で、全国の自治体は抜本的な地方財政危機打開対策、とりわけ交付税率の引上げを強く要求しているのである。
 現に、全国知事会を始め地方六団体は機会あるごとに交付税率(現行三二%)を四〇%に引き上げることを要望し、自治体労働者はもちろん、多くの地域住民が交付税率の引上げを強く要求している。
 まさにこの要求は、保守・革新のいかんを問わず、全国の自治体関係者の一致した要求であり、その実現を求める運動は住民ぐるみの運動として発展しつつある。
 地方交付税法第六条の三第二項は「毎年度分として交付すべき普通交付税の総額が第十条第二項本文の規定によつて各地方団体について算定した額の合算額と著しく異なることとなつた場合においては、地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は第六条第一項に定める率の変更を行うものとする。」と規定している。
 今日の地方交付税の状況を見ると、@昭和五十年度においては、交付税交付金の当初見込額からの減収額は一兆一〇〇五億円にものぼり、さらに追加需要額四一五億円を加えれば一兆一四二〇億円が不足し、A昭和五十一年度においては、財源不足額が二兆六二〇〇億円にのぼり、地方交付税の借入金一兆三七〇〇億円に加え、本来交付税で措置すべきにもかかわらず、地方交付税法、地方財政法の主旨を踏みにじり、基準財政需要額を地方債に一兆二五〇〇億円も振替え措置したことに見られる様に実質的には国税三税の四二〜四三%に達する額が必要となつているのである。
 これを見ても、地方交付税率の引上げを直ちに行わなければならない事態であることは明らかである。
 さらに、自治省の地方財政収支試算によれば財源不足額が昭和五十二年度も一兆九二〇〇億円、昭和五十三年度一兆四〇〇億円にのぼるとされているのである。
 こうした状況の中で、我が党を始めとした、衆・参両院の本会議、予算委員会、地方行政委員会における地方交付税率引上げの要求に対し、政府は、例えば「来年度予算編成に当たりましては、交付税率の問題に手をつけないわけにはいかないのじやないか」(昭和五十一年五月六日衆院地行委・自治大臣)とか「そういうことも検討の対象となることは当然のことと思つております」(昭和五十一年二月二十八日衆院予算委・大蔵大臣)などと答弁し、交付税率の引上げを検討する意向を示しているのである。
 そこで、以下この全国の自治体はもちろん国民的要求とも言える地方交付税率引上げ問題に関し次の質問を行うものである。

一 政府は国会で「来年度は地方交付税率の引上げについて検討しなければならない」との趣旨の答弁を行つている。よつて地方交付税法第六条の三第二項の規定による交付税率の引上げ措置について、具体的にはいつからどのような方法で検討を進め、それは何年度から実施するつもりか。
二 我が党は、交付税率を四〇%に引き上げるべきであることを一貫して要求して来たところ、政府もこれを検討する旨表明しているが、一体政府の考えは具体的にはどうなのか。
三 来年度において不足する財源一兆九二〇〇億円に関しては、交付税特別会計の借入や地方債振替え措置は、当然行うべきでない。政府はどう考えているか。

 右質問する。





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