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昭和五十三年六月十五日提出
質問第五六号

 日本化学工業株式会社のクロム工の疫学調査に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十三年六月十五日

提出者  田口一男

          衆議院議長 保利 茂 殿




日本化学工業株式会社のクロム工の疫学調査に関する質問主意書


 労働省が、日本化学工業株式会社(以下「日化工」という。)のクロム工について行つている疫学調査には、クロム被害労働者のみならず職業病、公害のすべての被害者の利害に係わる重大な問題があるので、本年二月二十八日、社会労働委員会で当職が質問したが、当局より明確な答弁がなかつたばかりでなく、重大な事項について虚偽の答弁を行つた疑いがあるので、ここに改めて書面で質問する。

一 クロム疫学調査の目的は何か。
二 クロム障害に関する専門家会議の目的は何か。
三 前回の質問の際、当局は疫学調査は「実質的に専門家会議のやつていることと同じだ」と答弁したが、実際には、調査の方法等について右専門家会議に何の相談もしていない。反対に、別の専門家に調査を委託し、この専門家の氏名すら秘密にされ、専門家会議にも知らされていない。「専門家会議が実質的にやつている」という明白な虚偽の答弁をあえてした理由は何か。秘密の専門家の氏名を明らかにせよ。
四1 疫学調査の対象が、日化工のいわゆる本工のみに限定されているが、日化工小松川工場のクロム酸塩製造の実際と、当時の雇用構造を調査したことがあるのか。
 2 本工以外の松渕組等と称するいわゆる「組」の労働者等が、その数においても、その作業内容においてもクロム酸塩製造のかなめであつたことを知つているか。本疫学調査の観察基準時である昭和二十二年九月には、本工以外の者が五割を超える職場があつたことを知つているか。
 3 いわゆる「組」の労働者等は、日化工の実質的直用工であり、本工とは、日化工のクロム直用工の一部のグループに過ぎないことを知つているか。とすれば、かかる労働者こそ観察の対象とすべきではないか。
 4 右「組」の労働者等本工以外の労働者が生産のかなめであつたため、当然最も汚染のひどいところで働いており、従つてガンによる犠牲者も一番多いということを知つているか。
 5 ガンとの関係を明らかにしようとすれば、かかる労働者こそ観察の対象とすべきではないか。
五1 調査の基礎となる労働者名簿その他の原資料の正確さをどのように吟味したのか。
 2 現在の調査は原資料を精査することなく、日化工の一方的申告によるものを「基礎データー」としているようであるが、そのようなことでよいのか。
 3 企業が資料を人為的に操作するおそれがあるのに、何故かかる安易な方法で資料を取扱うのか。少なくとも被害労働者等に資料の確度を吟味させるべきではないか。
六 クロム酸塩製造を支えてきた本工以外の者を観察の対象に入れ、昨年三月の石田前労相の「被害者等に疑惑のまねかない」公正で、科学的な調査に改める気はないか。

以上、労働省の見解を明らかにされたい。

 右質問する。





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