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昭和五十三年六月十五日提出
質問第六一号

 事業所税の運用に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十三年六月十五日

提出者  荒木 宏

          衆議院議長 保利 茂 殿




事業所税の運用に関する質問主意書


 地方税法に定める事業所税は、地方自治体の財源確保に資するものとして適切な運用が求められているところであるが、次のような疑義が指摘されているので質問主意書を提出する。
 地方税法第七百一条の三十四の第三項第二十二号には、中小企業振興事業団法第二十条第一項第二号イ又はロの中小企業構造の高度化に寄与する事業で政令で定めるものを行う者が、都道府県又は中小企業振興事業団から同号イ又はロの資金の貸付け(これらに準ずるものとして政令で定める資金の貸付けを含む。)又は施設の譲渡しを受けて当該事業を実施する場合における当該事業の用に供する施設で政令で定めるものについて事業所税を非課税とする旨を定めている。前記かつこ書きが規定されているゆえんは、都道府県又は中小企業振興事業団に限らずその他の金融機関から貸付けを受けている場合でもその貸付けの趣旨が中小企業振興事業団法の高度化事業推進に寄与する場合には非課税措置を適用する法意と解されるところ、現在まで右政令はまだ制定されていないと聞いている。
 しかるに、堺市原山台五丁一〇番二号日本敷物団地協同組合において組合員日本絨氈株式会社が実施した高度化事業の第一期工事では、中小企業振興事業団から高度化資金の貸付けを受けて工事を実施し、従つて当該工事に係る建物については前項記載法条により事業所税の非課税措置の適用を受けながら、その後継続する第二期工事では、右協同組合内の金融規定により所定貸付枠を超過するものとして他の金融機関から貸付けを受けて工事を実施した結果、前記法条不該当として課税対象とされており、他にも同種事例がある。
 しかしながら、前記金融規定は右協同組合内の内部規定に過ぎず、高度化事業の目的遂行とは直接に係わりなく、あまつさえ前記株式会社は、昭和四十六年三月大阪府立産業能率研究所の企業診断の結果、第二期工事を含めて工事継続の勧告を受けており、同四十七年六月二十一日大阪府知事の第二期工事実行の承認も受け、更に同五十年十二月二十四日大阪府指令振第三四五号をもつて大阪府知事から再度第二期工事遂行の承認を受けたものである。
 右府立研究所の診断並びに勧告及び府知事の承認は、いずれも中小企業振興事業団の定めた「高度化事業に対する補完助成の取扱い」に準拠してなされたもので、当然、地方税法第七百一条の三十四の第三項第二十二号に定める都道府県又は中小企業振興事業団から高度化資金の貸付けを受ける要件を充足したことを証するものであるが、前記のごとく、右会社はたまたま協同組合内の金融規定に定める枠を超えていたため一般金融機関から資金を調達したに過ぎない。
 そこで、次の事項について明らかな見解を示されたい。

一 前に述べたとおりであるとすれば、正しく本件の場合前記法条のかつこ書きに定めるところの準用事例に該当するものであるが、政令の不備のため当該法条の適用を受ける者に比し不当な差異を生じている。よつて政府は、本件のごとき事例を解決するため準用政令を制定すべきだと考えるが、未だ制定されなかつた理由を明らかにし、併せて政令を整備する用意の有無を示されたい。
二 本件においては、前記のごとく府立研究所の診断、勧告並びに知事の承認は地方自治体の独自の基準による処分ではなく、中小企業振興事業団の定める基準に準拠したものであり、地方税法第七百一条の三十四の第三項第二十二号に定める資金貸付と実質的に同様に取り扱うべきものと考えるがどうか。
三 仮りに政令の不備により明文上の取扱いが同様になされないとしても、昭和五十年八月二十六日付自治省税務局長発各都道府県税務部長宛自治省第七二号通達「事業所税の減免について」に定める第二項の「中小企業対策事業の産業振興政策上特に配慮の必要があると認められる施設」として取扱うべきものと考えられるがどうか。
四 更に、前項記載の通達に関する昭和五十年八月二十八日付自治省税務局市町村税課長発各都道府県税務部長宛の内かん「減免の範囲及び内容」のうち、「中小企業対策等の産業振興政策上特に配慮の必要があると認められる施設」と同視し得るものと考えられるがどうか。

 右質問する。





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