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昭和五十三年十月二十日提出
質問第一五号

 南海電鉄の運賃値上げに係る泉北高速鉄道との運賃併算制度等に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十三年十月二十日

提出者  荒木 宏

          衆議院議長 保利 茂 殿




南海電鉄の運賃値上げに係る泉北高速鉄道との運賃併算制度等に関する質問主意書


 大手私鉄の運賃の大幅一斉値上げが、すでに運輸大臣に申請され、現在審査中であるが、今回の値上げ申請は、不動産部門をふくむ全事業収支で黒字が出ていること、内部留保が巨額にのぼつていること、鉄道部門についても収支率が改善の傾向にあること、さらに引上げ率が春闘時の賃上げ率を超え、不況下の国民の生活を圧迫することなどから極めて不当なものである。
 特に南海電鉄は、大阪府都市開発株式会社経営に係る泉北高速鉄道の運行を受託しているところであるが、右泉北高速鉄道は本年六月頃すでに平均二〇%を超える運賃値上げが認可されており、同鉄道の利用者の約八割は、南海電鉄を「通し利用」しているため、若し今回の南海電鉄の運賃値上げ申請が認可されれば、右併用乗客は年内に二度も運賃値上げの負担を余儀なくされ、生活上極めて大きな犠牲をうけることになる。
 そのため、南海電鉄と泉北高速鉄道との通し運賃については、運賃併算制度が採用されているが、この運賃併算制度の問題点は、(一)泉北高速鉄道は運転、駅務、保安等すべての日常業務を南海電鉄に委託していることから実態は一本化しており、一般の相互乗入れとは大きく異なつている。にもかかわらず、両線利用者は初乗り運賃を二度払いする結果になつていること(二)泉北高速鉄道の定期の割引率が低いこと(三)南海電鉄は他の路線の旅客が減少しているのに泉北高速鉄道との「通し利用」の乗客のみ増加し経営に大きく寄与していること(四)「通し利用」の運賃併算「調整」制度として南海電鉄側が普通運賃に限つて一律十円の割引きを行つているが、前記諸事情からみて過少であること(五)「通し輸送」の場合、混雑度は朝のラッシュ時、一八〇%から二〇〇%にも達していることなどが指摘されている。
 そのため、この制度の現状については、かねてより強い改善の声が上つているところである。
 以上のとおり、大手私鉄運賃の大幅一斉値上げ自体認め難いところであるが、この際南海電鉄と泉北高速鉄道との現行運賃併算制度並びに両鉄道の乗客サービスの改善について次のとおり質問する。

一 南海電鉄と泉北高速鉄道の「通し利用者」に対して運賃計算上何らかの優遇措置を講じているかどうか。
二 南海電鉄と泉北高速鉄道との現行運賃併算制度について一律十円の割引きをさらに乗客に有利なように改善し、増額するかどうか。
三 現在普通運賃に限られている割引きを定期運賃にも拡大適用するかどうか。
四 第八十四回国会衆議院物価問題等に関する特別委員会(昭和五十三年三月二十八日)で、運輸省鉄道監督局の妹尾民営鉄道部長は、泉北高速の乗客サービス改善について六項目にわたつて行政指導を約束しているが、その後それぞれについて改善措置はどのようになされているか。未実施のものはいつ具体化するのか。また混雑率緩和の年次計画があれば明らかにされたい。
五 南海電鉄のサービス改善について、混雑率緩和計画、自転車置場設置計画、主要駅の便所改善計画等、あれば具体的に明らかにされたい。

 右質問する。





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