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昭和五十五年二月二十三日提出
質問第六号

 衆議院解散権に関する再質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十五年二月二十三日

提出者  飯田忠雄

          衆議院議長 (注)尾弘吉 殿




衆議院解散権に関する再質問主意書


 内閣の行う助言は天皇の国事行為についての助言であつて、国政に関する助言ではない。従つて内閣に国事行為に対応して存在すべき国政行為についての決定権がなければならないものではない。内閣以外の機関が衆議院解散を決定すれば、それに基づいて助言をすれば足りるからである。よつて答弁書のいう「衆議院の解散は、国政に関するものであるが、右にいう内閣の助言と承認とは、衆議院の解散について内閣が実質的にこれを決定することを意味し」は我田引水の解釈であると言わねばならない。
 このような解釈は、憲法の構造及び精神に照らし、三権分立の原則、立法、司法、行政の各権力機関の相互不可侵の原則、国会の最高機関たるの地位の規定に反する何ら正当な根拠のない独断的解釈である。
 内閣に対し、答弁書に言うがごとき国家の最高機関たる強大な権限が与えられているとするためには、憲法にその旨の明文がなければならない。
 答弁書の解釈は、法理論上到底認めることのできないものである。よつて、次の質問に答えられたい。

一 天皇の発布した衆議院解散詔書は、国政に関する権能を有しないから、この詔書が発布されただけでは、実質的に衆議院を解散する効力は生じない。
  内閣の助言と承認は、詔書が有効に成立するための要件であるにすぎない。
  それは、解散詔書が天皇の国事行為として作成された詔書自体の性質を変更するものではない。従つて、天皇の名において作成された解散詔書には、国政に関する権能がないという詔書の性質に変動はないと言わねばならない。
  右のように解するのが正当と思うが、どうであるか。
二 答弁書は「衆議院自体がこれ(解散)を議決できるとするためには憲法上明文の規定を必要とする」というが、一般的に、組織を作つた者がその総員の決議によつてその組織の解散を行うことができるものであることは、団体法の一般理論として認められているところである。
  衆議院の組織が、全国民を代表する選挙された衆議院議員により行われることは、憲法第四十三条により明白である。
  従つて、憲法に衆議院解散について実質的決定権を有するものを規定していない以上、組織者である衆議院議員全体の意思に解散決定権があることは、法理論上当然のことと言わねばならない。
  なお、憲法第七条は、内閣に衆議院解散の決定権を与えた明文ではないし、そのように解することも憲法の構造と精神に反するものであり、到底支持し得ない謬見であることは前述したとおりである。
  よつて、衆議院解散の実質的決定をなし得る者は、衆議院議員の全体的意思表示として解散を審議する衆議院本会議の議決であると解すべきものと思うがどうか。
  法理論上の理由を附して答弁されたい。

 右質問する。





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