衆議院

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昭和五十五年十一月二十九日提出
質問第一八号

 信濃川廃川敷処分地の土地利用及び「事前協議」に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十五年十一月二十九日

提出者  瀬崎博義

          衆議院議長 福田 一 殿




信濃川廃川敷処分地の土地利用及び「事前協議」に関する質問主意書


 昭和五十二年十一月、当時の長谷川四郎建設大臣が、廃川敷処分に承認を与えた。以後、特段の動きを見ないまま推移してきた当該土地の利用について、昨年十一月十九日、北半分は、室町産業と長岡市との間で土地の譲渡の売買契約が締結され、南半分は、室町産業が千秋が原工業(株)を設立、同時に同土地を現物出資の形で権利移転し、現在は千秋が原工業(株)によつて砂、砂利の採取が行われているところである。
 当該土地の利用については、廃川敷処分の承認に伴い、将来、土地の権利の移転や開発等が行われる場合、建設省と長岡市長との間で「事前協議」することを確認した文書「信濃川河川敷地の廃川敷地等の処分について」(昭和五十二年十月三十一日栂野河川局長より小林長岡市長宛)が取交されている。にもかかわらず、昨年十二月以降の事態の推移を見ると、室町産業からの国土利用計画法に基づく砂利採取等開発行為のための届出、室町産業・千秋が原工業両社名による「信濃川河川敷用地の利用計画及び譲渡に関する覚書」第六条を継承する確約書の提出及び承認等は当然のこととして「事前協議」の対象でありながら、長岡市長はこれを無視し、本年七月八日、これらの土地利用等にかかわる重要事項について、事後になつて建設省にたいし報告、建設省はこれを事後承認した。
 こうした長岡市長と建設省の行為は、建設省と長岡市長の間で取交された「信濃川河川敷地の廃川敷地等の処分について」の「事前協議」に明確に違反するものであつた。
 私は、このことについて本年十月十五日、衆議院建設委員会で質問し、当該土地の公共的土地利用及び「事前協議」の今後の在り方についてその重要性、「事前協議」の範囲等々を明らかにするよう要求した。
 その際、斉藤滋与史建設大臣が調査・検討を約束してきた問題について、以下質問するものである。

一 土地利用計画について
 1 昭和五十二年九月二十九日、小林長岡市長が提出した「信濃川河川敷の廃川敷処分について陳情」別添1「信濃川河川敷用地の利用計画書」には、「直ちに事業を実施するもの」として、老人福祉センター、市営プールなど、「今後逐次整備していくもの」として、保健センター、自然科学博物館などが記載されていた問題について、私は建設委員会において、本年九月十日、長岡市長が、同市本会議において「実は、こういうことは書けないというのを、建設省は、なんとか、まあ書いてくれということで、あれ出したんです。」と答弁していることを指摘した。
   昭和五十二年九月二十九日、長岡市が提出した陳情書添付書類は、建設省が「信濃川河川敷の廃川について」のなかで、同土地を廃川処分にした一つの理由にされていることから見ても、もし小林市長の言うとおりの経過であるならば、これは、田中金脈事件の主要なものの一つである信濃川廃地廃川敷処分が、関係自治体をも抱き込みながら、不当に政治的決着を急ぎ、体裁をととのえたに過ぎないという重大な意味をもつ発言と言わざるを得ない。
   そこで聞くが、私の指摘した市長の発言はあつたのか。なかつたのか。
 2 私の指摘した、長岡市長の答弁が事実であつた場合、私の建設委員会での「真意を確めて……報告」すべきだ、という質問にたいし、斉藤建設大臣は「事実関係を確かめさせていただきます」と答弁した。建設大臣は、長岡市長の答弁の真意はどこにあつたかをいつどこでどういう方法で確めたのか。その結果はどうであつたのか。
 3 長岡市長が「市議会の議決を得ていないので、決定した計画として提出できない。」といつた土地利用計画を、建設省はなぜ「なんとか書いてくれ」と迫り、地方自治体の権限をも無視して形式や体裁をととのえることを急いだのか。その理由を明確にしていただきたい。
 4 以上の上に立つて聞くが、今日、長岡市に市議会の議決を経た北半分についての土地利用計画書は存在するのか、しないのか。もし存在しない場合は、今後どういう手続きを経て土地利用計画書を再作成するのか、その時期はいつか、明確にすべきである。
   なお、北半分の公共利用とあわせて南半分の土地についても、再三「公共的利用」を行うと言明してきたが、これが、国民の目から見て納得のいく利用にしうるのかどうか、明確にしていただきたい。
   もし、こうしたことが保障されない廃川敷処分であつたとしたら、「土地利用計画」なるものは、廃川敷処分を急ぐための政治的な処理の道具に過ぎなかつたことを改めて証明することとなるであろう。
二 「事前協議」について
 1 私は、建設委員会において、事前協議についても小林市長が、本年九月十九日の長岡市議会総務委員会での答弁で「私は長岡市の名誉のために『承知する』とは言わなかつた。何でも建設省の言うことを聞いていればよいというものではない。」「建設省は長岡市が事前協議をしなかつたことに対して不当であると思うなら私を訴えたりすることもできるのにそんなことはせずに了解したわけである。」と発言していることを指摘した。
   私が指摘した長岡市長の答弁は事実あつたのかどうか。
 2 これが事実とすれば、建設省が、この問題の政治決着を急ぐあまり、長岡市長との間で事前協議をすることの確認をせずに一方的に「信濃川河川敷地の廃川敷地等の処分について」なる河川局長名の文書を発行し、これを長岡市に押し付けたことになるのではないか。
 3 建設省と長岡市長との間で取交された「信濃川河川敷地の廃川敷地等の処分について」は、「貴市と室町産業株式会社とが昭和五十二年九月二十七日に締結した覚書第六条に基づき室町産業株式会社が利用することとなる土地について、同条の規定により、貴市がその利用計画の同意をしようとするときは、あらかじめ、本職に協議されたい。」としている。また、昭和五十二年十一月五日付の建設省発表文書「信濃川河川敷の廃川について」では、「建設省としては、廃川となる土地が市民全体の利益のために利用されることは、適切なものと考えるので、別添覚書第六条により室町産業の土地の利用について長岡市長が同意しようとするときは、あらかじめ建設省が協議を受けることとしたうえで、今回の措置を取つたものである。」としている。さらに、当時の建設委員会でも建設省は同趣旨の答弁を繰り返している。
   これは、@南半分の土地利用について何らかの変化があつたとき、つまり、当該土地の権利移転や砂利等の採取など、それが土地利用にかかわる場合、室町産業と長岡市長との間で同意する以前に「あらかじめ」建設省と協議することが規定され、A南半分の土地が、たとえ「市民全体の利益のための利用」であつても、室町産業と長岡市長との間で同意しようとするとき「あらかじめ」建設省と協議することが定められている。この点を再度確認したい。
 4 事前協議とは、「逐一個々のすべて」(建設委員会答弁)について協議するものでないにしても、@七月八日の事後承認のとき、建設省はどういう点に間違いがあつたとしたか、A今後、事後承認というパターンを繰り返すつもりなのか、B「逐一個々のすべて」が事前協議の内容でないとしたら、どの範囲のどういう行為について「あらかじめ」建設省との事前協議の対象となるのか、これを明らかにされたい。

 右質問する。



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