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昭和五十六年十二月二十四日提出
質問第一号

 武器輸出と日米軍事技術協力等に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十六年十二月二十四日

提出者  横山利秋 土井たか子 上原康助 清水 勇

          衆議院議長 福田 一 殿




武器輸出と日米軍事技術協力等に関する質問主意書


 主題の件について、先の国会において政府から答弁書を受領したが、左の諸点についてさらに質問する。

一 答弁三、四及び六は「米国についても武器輸出三原則及び政府統一方針に基づき対処する」と述べながら、他方、対米関係は「日米安保条約等の関連がある」と述べている。
  このことは、政策と条約といつた異なつた次元で武器の日米共同開発・生産及び日本の軍事技術の対米供与問題に対処しようとする政府の姿勢が読み取れる。
  しかし従来政府は「日米相互防衛援助協定第一条、地位協定第十二条及び日米安保条約第三条は義務規定でなく、あくまでも政治判断にかかる」との答弁を行つている。
  昭和五十六年度予算の審議の際、高度の政治判断の中で本院において全会一致の「武器輸出問題等に関する決議」がなされたが、政府が判断をする際、当然国会の意思を尊重しなければならないものと思うがどうか。
二 1 「昭和三十七年十一月十四日付けの「防衛目的のための技術的資料及び情報の交換に関する書簡」は日米相互防衛援助協定第一条第一項の「細目取極」に該当する」と答弁しているが、昭和二十九年五月一日協定の効力発生以来、両国において交換された細目取極は何件あるのか。また、その内容について説明せよ。
  2 昭和三十七年十一月十五日に締結された「資料交換に関する取極」は、協定第一条第一項の「細目取極」とはどのような法的関係にあるのか。「細目取極」が公表できて、当局間の取極が公表できない理由を明らかにされたい。
三 答弁九で「専ら武器の製造等に係る技術と客観的に判断できるものを対象とする」と回答しているが、輸入国が明らかに軍事用に使用する目的をもつて輸入することが客観的に判断できる場合は、武器輸出三原則の対象となるのか。
四 答弁十で「地位協定第十二条の規定に反する制限云々」とあるが、質問に対し明確に答弁していない。
  この答弁によれば、在日米軍が直接国内の民間企業から武器を調達することは自由であるという意味なのか。
五 答弁十三で「民間企業に対し対米供与を要請することができるか」との問に「検討していない」と答えている。しかし、昭和五十六年十二月五日の報道によれば、デラウアー国防次官は「米国にとつて光通信、ロボット、マイクロプロセッサーの導入は大きな支援となる。しかし、これはあくまで民間企業が個別に導入を進めるべき性質のものだ」と述べ、米国の方針としては軍事技術協力は民間ベースが原則であることを明らかにした。
  我々は、日本の民間企業の開発した先端技術であつても、軍事技術であれば当然武器輸出三原則が適用されると思うが、本件について国民に分かるよう答弁されたい。
六 答弁十四の「慎む」についての答弁は極めて抽象的である。昭和五十六年二月十四日衆議院予算委員会において田中(六)通産大臣は「慎むとは原則としてだめだということ、それから発展させていく過程で問題を処理することである」旨の答弁をしているが、そのとおり理解してよいか。
  また、「具体的な国名をあげることを避けたい」と答弁しているが、政府は中国の近代化には協力するが軍事援助は行わない旨述べ、また、韓国に対して武器輸出はしないとしばしば国会で答弁している。以上の理由から米国、中国及び韓国について当然武器輸出を慎むと思うが、再答弁を願いたい。
七 さらに、質問主意書に対する答弁書が提出された後、十二月十四日、十五日の両日第三回日米装備技術定期協議が行われた。米側から@汎用技術だけでなく純粋の軍事技術の提供 A軍事技術の共同研究・開発及び将来兵器の共同生産などの要請がなされたと報道されているが、米国の要請はどのような内容か。
  報道された内容が事実であれば当然武器輸出三原則に反する。特に「兵器の共同生産」の要請が事実であれば憲法の精神及び国内法上から出来得ないと思うがどうか。

 右質問する。





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