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昭和五十八年三月三日提出
質問第九号

 学校法人東日本学園大学の運営に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十八年三月三日

提出者  新村勝雄

          衆議院議長 福田 一 殿




学校法人東日本学園大学の運営に関する質問主意書


 北海道石狩郡当別町に本部を置く学校法人東日本学園大学は昭和四十九年二月十八日学校法人の設立が認可され、薬学部が設置され、その後歯学部、大学院薬学研究科が設置されて現在に至つているが、学校法人設立に当たつて必要な資金として個人及び法人から寄附を受けて発足している。ところが、法人に寄附された資金が、寄附をした個人及び法人に対して貸付金あるいは負債の肩代りという形で返されていることが文部省の調査によつて判明した。
 これら一連の事態は教育機関の運営に関して行われたものであり、在学生・父兄等関係者はもとより、社会に対して影響する所は極めて大である。この件について以下、政府に質問する。

一 学校法人東日本学園大学に対する寄附金の内、指定寄附金として免税された金額について
 1 寄附者の名
 2 寄附をした年月日
 3 寄附した金額
 4 寄附金の経路誰(団体)から、どこ(団体)を経て、どこ(団体)に寄附されたのか。
二 学校法人東日本学園大学が新日本観光興業株式会社の負債の肩代り弁済をしたことについて
 1 肩代り弁済をした年月日
 2 肩代り弁済をした金額
 3 その後回収された金額及び回収の年月日
 4 その金額に対する利子の支払い状況
 5 肩代りの内容の調査結果
三 学校法人東日本学園大学が佐々木真太郎氏に貸付を行つたことについて
 1 貸付をした年月日
 2 貸付をした金額
 3 その後回収された金額及び回収の年月日
 4 その金額に対する利子の支払い状況
四 昭和五十四年十二月二十七日付文部省管理局長名で発せられた通知の中で、「留意事項についてとられた改善措置の状況を、1については昭和五十五年一月十九日までに、その他については、昭和五十五年三月三十一日までに文書で報告願います。」と指示しているが、それに対する学校法人東日本学園大学の回答書の全文を示されたい。
五 文部省は前項の通知の中で、「かかる適正を欠く学校法人の運営を行つたことに対し、理事長及びその他の役員の責任を明らかにすること」と言つているが、これは役員に対しどのような引責の仕方を期待したものであるのか。
六 同通知に関連した土地の低廉譲渡について、昭和五十七年八月十日の決算委員会において文部省の福田説明員は、理事者が損金の内一千万円を補てんしたと答えているが、それはいつ、どのような形で行われたか。負担は誰がいくらしたのか。
七 昭和五十五年二月八日付で、学校法人より土地を買収した会社から学校法人宛に承諾書を差し入れ、「当該土地の早期売却に鋭意努力を重ねており、売却成立時には六億円程度を譲渡益より貴法人に還元することを了承します。」と約しているが、一方、同日付で学校法人より同会社に対し、「今般、文部省の留意事項に基づき、貴法人より提出いただいた承諾書は、まつたく事実に反するもので、架空の内容であることを確認し、後日、問題提起された場合でも、この確認書に基づき処理し、貴法人に対し負担をかけないことを確約いたします。」と前項の承諾書の趣旨に全く反する約束をしている。これは文部省を欺く行為ではないか。文部省の見解を示されたい。
八 同大学の運営、学生の父兄からの寄附金収納、入学試験の方法等についてとかくの噂がある。文部省は入学試験の内容について、採点、入学者決定の経過、寄附金の額等について調査をしたか。調査したとすればその詳細を示されたい。
九 文部省は、入学者の選抜に当たつてその公正が害されないように厳重な指導・監督を行うべきであると思うが、それを実施しているのか。実施していればその詳細を説明されたい。
十 学校法人東日本学園大学には現在国庫補助金が交付されていないと聞く。補助金の交付申請がなされないのは何故か。大学当局は、補助金の交付を受けると監督官庁の監査が厳重になり、学園側は煩わしいと言つていると聞くが、このようなことが平然と行われている事実を文部省はどう考えるか。
  交付基準から計算すれば、当然相当額の補助金が交付されるはずである。交付されていないとすれば、それは正常な姿ではなく、それだけ父兄に過大な負担がかかつていることになる。入学者への寄附金の強制、裏口入学の奨励、裏口寄附金の増大、学生の質の低下等、悪循環を繰り返すことになる。(現に七千万円納めた者もいると聞く。)文部省の見解を求める。
十一 東日本学園大学は、内規と称して会頭制をしき、佐々木真太郎氏が会頭として現職の理事長を意のままに動かし、また、同氏の実子である糸山英太郎氏の部下といわれる某二名が理事として大学に籍を置き、財務及び人事を担当し、現職理事長に指示していると聞くが、このような経営実態に対する文部省の見解を伺いたい。
十二 東日本学園大学歯学部附属病院の外来患者は、昭和五十七年七月の調査では多い時で一日八十名位、少ない時は一日二、三名位に過ぎず、とても歯科医師養成ができる状態ではない。文部省はこれをどう考えるか。
十三 東日本学園大学は昭和五十七年三月博士課程の認可を受けているが、大学運営について問題が起こり、文部省の指摘を受け、理事長等の責任が問われていて、問題が未解決のまま薬学部博士課程が認可されたのは何故か。その理由を明らかにされたい。
十四 昭和五十五年七月五日付、新日本観光興業株式会社と学校法人東日本学園大学との間で交わされた協定書の内、第二条七号に「乙(学校法人東日本学園大学)が設立認可申請並に爾後の手続等に当り文部省並に関係筋に提出した諸書類は手続き便法の都合上、乙より甲(新日本観光興業株式会社社主佐々木真太郎)に無理に依頼して架空に作成したもので、それ等に対する甲の責任と義務とは全く皆無のものである。」と記されているが、ここにも示されているように、東日本学園大学の設立は当初の計画から認可申請、設立までの経過において虚偽と欺瞞に満ちたものであり、認可の条件を具備しておらず、事前に真相が判明すれば当然認可申請は却下されるべきものであつたと考えられる。文部省の見解を伺いたい。
十五 以上一連の経過をみるに、学校法人東日本学園大学設立に当たつて同法人に寄附した個人、法人の代表者は、寄附金を営利事業における投資と同一視し、学校法人を営利化しようとした意図が明らかである。文部省はこの事態をどう考えるか。
十六 質問書七項、十四項等で指摘したように、同学校法人の理事者は、法人運営の裏面において種々の画策をなし、虚構をもつて当局を欺き、あるいは事実を曲げて己の利益を図らんとしたものと考えられる。公正であるべき教育機関がかくのごとく汚濁に満ちている状態は断じて許すことができない。文部省は厳しくその非違を糾弾し、責任者の引責と理事者の一新を図るべきである。この問題は学問の自由、独立とは全く異質のものであり、また、私学の故をもつて放置しておくことは許されない。
   文部省は、同学校法人が学生、父兄を始め社会から信頼される教育の府として再建されるよう直ちに有効な方途を講ずべきであると考えるが、その所信をお伺いしたい。

 右質問する。





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