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平成元年五月九日提出質問第二二号
米空母ミッドウェイ退役に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
平成元年五月九日
提出者 中路雅弘
衆議院議長 原 健三郎 殿
米空母ミッドウェイ退役に関する質問主意書
米国防総省は、横須賀を母港とする米第七艦隊の空母ミッドウェイを一九九二会計年度中に退役させ、他の通常空母と交代させる、ということである。空母ミッドウェイに代わる空母について、「約三年前に大改修されたフォレスタル級空母インデペンデンス(八〇、六四三トン)になる公算が大きい(四月二十七日神奈川新聞)」ということである。ミッドウェイ母港化の際、母港化が短期間で終わるかのような「両三年」と国会で答弁しながら今日まで母港化を続け、さらにその代替空母までも母港化させるなどということは絶対に認められないことである。空母ミッドウェイ退役に関して、以下質問したい。
二 空母ミッドウェイに代わる空母は通常型空母なのか。ミッドウェイに代わる空母がもし通常空母ならばフォレスタル級しかないのではないか。報道ではフォレスタル級空母インデペンデンスということであるが事実か。
三 アメリカは、古い通常空母を退役させ、原子力空母を建造しているが、米海軍が横須賀を母港にしようとしている代替空母は原子力空母ではないと明確にいえるのか。
四 横山横須賀市長は、一九八九年四月二十七日のコメントで「2、昭和四十七年十一月、ミッドウェイのいわゆる母港化にあたり、当時の外務省アメリカ局長から本市市長に対し、『感触を承りたい』旨の意向の打診がなされた際、『通常型航空母艦一隻(ミッドウェイ)の予定』と申し越してきた。したがって本市としては、ミッドウェイそのもののいわゆる母港化を認めたものである。3、今回の、ミッドウェイの退役に伴う新たな航空母艦の配備については、改めて、政府から協議があるものと理解している。」と述べている。この市の見解は当然である。
政府は米側がミッドウェイに代わる新たな航空母艦を配備しようとする際は市と必ず協議するかどうか。
五 もし横須賀がフォレスタル級空母の母港となるようなことになれば、報道されているインデペンデンスは、ミッドウェイに比べてトン数で一三、六四三トン、艦載機数で一五機、乗組員で七二七人増となり、現在以上に様々な問題が起こってくることは明らかである。
1 横須賀基地内の「思いやり予算」による将校宿舎の建設の状況及び建設の予定状況とその使用目的を明らかにされたい。
2 池子弾薬庫跡地に米軍住宅を建設しようとしているが、これは、ミッドウェイより大型の空母母港化による乗組員の増加に対応したものではないのか。
3 横須賀基地内に「思いやり予算」で将校宿舎を改築しようとしているが、これもより大型のミッドウェイ代替空母に対応したものではないのか。
4 厚木基地周辺は、ミッドウェイ艦載機のNLPの騒音被害で大問題になっている。政府・防衛庁はNLPの一部を硫黄島に移す計画であるが、横須賀がもしミッドウェイに代わってより大型の空母の母港になれば、艦載機も増え、それに伴うNLPの回数も増えて、厚木基地周辺の騒音被害はあまり減らないのではないか。
六 米空母の横須賀母港化は日本の平和、安全を守るものではない。母港化によって米・ソ戦の際、日本は、核戦争に巻き込まれる危険を一層大きくするものである。政府は、ミッドウェイの母港化を直ちに拒否し、ミッドウェイの代替空母の母港化も認めるべきではないと思うがどうか。
右質問する。