答弁本文情報
昭和二十三年五月四日答弁第五号
(質問の 五)
衆甲第二二号
昭和二十三年五月四日
内閣総理大臣 芦田 均
衆議院議長 松岡駒吉 殿
衆議院議員中野四※(注)君提出書道教育に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員中野四※(注)君提出書道教育に関する質問に対する答弁書
文化國家建設の上から書道は大切なものと思いますが、書道を学校教育でどうして教えるかについては兒童生徒の身心の発達と兒童生徒の生活を囲む現在の社会事情及びその要求を考慮して書道教育の方法を考えてゆかなければなりません。さて現今の社会においては毛筆よりも硬筆(鉛筆又はぺん)の方がはるかに多く使用されており且つ能率的であります。又幼少の兒童には毛筆よりも硬筆の方がはるかに使い易いことは明白であります。これ等の見地から現在の教科課程では小学校の間は國語の中の書方として硬筆習字を課し、中学校になつて毛筆習字を課することになつております。高等学校においては各個人の特性を充分伸ばしてやりたいとの見地から國語、体育及び社会科の一部だけを必修教科とし他は悉く選択教科としています。この見地からして書道もまだ選択教科とすることが適当であると考えます。從つて今急に小学校、中学校、高等学校の書道の時間数を変えることは考えておりません。