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答弁本文情報

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昭和二十四年四月二十七日
答弁第一二号
(質問の 一二)

  衆甲第二二号
     昭和二十四年四月二十六日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿

衆議院議員林好次君提出衣料切符に関する質問に対する別紙答弁書を送付する。





衆議院議員林好次君提出衣料切符に関する質問に対する答弁書



一、 (1)衣料切符の点数に暖寒の差を認めなかつた理由

  (イ)昭和二十三年度の一般國民用衣料品の供給力は、数次の放出衣料品を加えてやつと一人当一、一封度となるにすぎず、これを一人当一二封度消費した昭和十二年当時に比較すると、國民の最低限の衣料を確保することもできかねている状況である。從つてこれ以上一方をへらし、他方に追加する余地がなかつた。
  (ロ)衣料品の需要は、寒暖の差のみによつて決定せられるものではない。このことは二十三年度衣料切符の現物化の状況を見ても寒冷地に特に需要せられるとの結果は見られない。
  (ハ)質の点においてはできうる限り考慮する方針をとつている。

   (2)これに対する將來の考慮の有無

  衣料品の配給計画は経済安定本部において策定せられ商工省はこれを実施する任に当るのであるが、右の如き理由に鑑みて安本計画においても寒暖の差による衣料切符の増減は考えられていない。


二、 衣料品の質について寒冷地の取扱

  衣料品の点数の指定においては、重量によつて決定せず所要方碼を基準として決定している。從つて同一点数によつて寒冷地においては紡毛その他の厚地物を、温暖地においては人絹その他の薄地物を購入しうることとなり、この点多少の調節を行いうるものと考える。


三、 (1)切符の全國流通を認めなかつた理由

  衣料品の生産量が少い今日、物價が統制せられているので生産地に近い府縣にのみ出まわる可能性がある。これを調整するため、安本において各都道府縣毎の割当量を定め消費者に対する衣料品の確保をはかつている。
  衣料切符を府縣内流用としたのはこの府縣別の割当量の範囲内において全國民に対する最低限度の衣料品を確保するための手段であつた。

   (2)これに対する將來の考慮

  衣料品の價格引上げと共に今日では衣料品によつてはその賣行きが必ずしも順調ではないので、切符の全國流通を認めても物資の偏在をもたらすおそれが少いものもあると考えられるので特に配給を確保すべき特定の衣料切符の全國流通に付き再檢討中である。





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