衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
昭和二十四年十一月二十九日
答弁第四七号
(質問の 四七)

  内閣衆甲第一一七号
     昭和二十四年十一月二十九日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿

衆議院議員春日正一君提出自動車の販路拡張並びに月賦販売資金融資に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員春日正一君提出自動車の販路拡張並びに月賦販売資金融資に関する質問に対する答弁書



 自動車の販路としては国内市場と海外市場が考えられるが、国内市場について現在販路拡張のあい路となつているものは販売統制、小型乘用車の生産販売制限、一般的金融難に基く有効需要の減退、ガソリン不足等が挙げられる。そこでこれ等あい路の打開策として第一に販売統制については、十月二十日附安本通牒をもつて、これが停止の措置を講じ、需要者が自由に購入できるようにして従来満されなかつた有効需要喚起の楔機とした。第二に小型乘用車の生産販売制限については、従来司令部の覚書によつて年間三〇〇台の製造販売が認められていたが、数次にわたる折衝の結果十月二十五日附をもつて、この数量の制限が解けたので現在最も需給のひつ迫している小型乘用車の販路は明朗になるものと期待される。第三に金融難については、これは一般経済界に共通な問題であるので一般的方策によるとともに自動車に特有な問題として月賦販売制度の確立により、この方面からの販路拡張に努力している。第四にガソリン不足については、最近各種液体代用燃料(メタノール、ベンソール、アルコール)の統制解除に伴い、この活用を計るとともに太平洋岸の精油所再開に伴う輸入原油処理によるガソリンの国内割当増加に期待している次第である。
 海外市場の問題は、一般的輸出振興策の外に自動車にあつては特に企業合理化に基く輸出価格の引下げ、英米先進国の製品を検討し、性能、外観等の国際水準への引上げ等を計る外自動車の輸出が従来主として朝鮮、沖繩、タイ国等の一部に限られていた現状にかんがみ、広く東亜全域、オーストラリヤ、南米等の自動車輸出国に対する積極的な市場開拓に努めている。
 自動車の有効需要は需要者の金詰りから漸次減退し、特に普通型車(積載量四 ― 五瓲)、大型車(積載量七 ― 一五瓲)の市場在庫が累増したため生産面にも多大の支障を来し、逐次減産の徴候を呈するに至つた。
 ここにおいて有効需要喚起対策としてこの種車両の月賦販売資金融資が要望されたが、これを全面的に実施すれば資金所要額もばう大な額に達するので、取り敢えず前述の普通型車大型車中営業用バス及び地場トラツクについて頭金二割残額八割を六箇月月賦として、これに必要な資金約十億円を販売業者に融資する方針の下に、九月十二日日本銀行から融資あつ旋することとなつた。又融資あつ旋の円滑化を計るため販売業者の融資準則上の取扱について従来の丙を乙に格上げする処置を講じた。
 今後とも月賦販売制の円滑な運営を図るため努力する方針である。

 右答弁する。




経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.